- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2025.06.13
2025年6月13日-尾瀬沼ビジターセンターより(お花のリレーが始まりました!)
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尾瀬では、まだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
尾瀬においでになる際には、2025(令和7)年シーズンについての確認をお願い致します。=============================================================
■天気:晴れのち曇り
気温:14.4℃(9時)16.9℃(昨日の最高気温)2.5℃(今日の最低気温)
まずは昨日の夕焼けからご覧ください。
【釜ッ堀湿原の夕焼け】

昨日の午後は曇りで、夕焼けは期待していなかったのですが18時半から19時にかけて、空の色が変わるにつれて沼の色も変わり、名残りのミズバショウが夕焼け色に透けて輝いていました。
ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
今日は晴天です。湿原の緑も、木々の緑も陽の光を受けて生き生きしています。ミズバショウは白い苞よりも、緑の葉が目立つようになってきました。同時に、たくさんの花々が咲き始めています。
第一展望デッキの右の角にあるサンカヨウは、満開を迎えています。サンカヨウは、散りかけるころに花びらが透明に見えることがあります。週末は雨予報ですので、運が良ければ透明な花びらが見えるかもしれませんね。
【今日のサンカヨウ】

さて、晴れの日に大江湿原を歩いていると空に向かってパラソルを開いたような青い花がたくさん咲いています。
【タテヤマリンドウ】

2つのタテヤマリンドウの、花の中心を比べて見てください。なんだか様子が違いますね。
左側は雄性期の花で、オレンジ色っぽく見えるところがおしべです。めしべはまだ出ていません。この時期に虫がやって来ると、花粉を他のタテヤマリンドウに運んで受粉を助けます。おしべが花粉を出し切ると、右側のような雌性期になり、今度はめしべが伸びて柱頭が開き、他のタテヤマリンドウの花粉で受粉するのです。自家受粉を避け、優秀な種を残すための戦略です。のんびり咲いているように見える花々も、短い命を一生懸命生きているのですね。
また、この時期に目を引く黄色の花が3種類あります。
【リュウキンカ】

川の流のそばに咲いているのはリュウキンカ(立金花)。立ち上がった茎に金色の花を付けます。ハートのような丸形の葉が特徴です。雨の日でも開いているのは、種を水の流れで運んでもらうからです。ワックスを塗ったようなつやのある明るい黄色です。
【シナノキンバイ】

第二大江橋付近の湿った場所に咲いているのはシナノキンバイ(信濃金杯)。花の下に、ドレスのようなギザギザフリルの葉があるのが特徴です。金色の杯という名ですが、均整のとれた5枚のがく片を杯にしてお酒を飲みたくなるような気がしますね。レモンイエローの薄い花びらに見えるのは、がく片です。
【キジムシロ】

キジムシロも、第二大江橋周辺の湿った場所に咲いています。リュウキンカやシナノキンバイより丈が低く、「キジ(雉)がむしろにする(下に引く)」という意味の名です。早朝や雨の日は閉じていて、花の裏側は少し白っぽく感じます。花の大きさも、リュウキンカやシナノキンバイより小さく、イチゴのような3枚葉が特徴です。
さて、お花のリレーは始まったばかりです。本日紹介したお花の他にも、いろいろ咲いているお花には、それぞれの性質や特徴があります。写真を撮るだけでなく、観察することで、思わぬ発見を楽しんでください。
※尾瀬沼周辺はかなり雪が消えましたが、残雪が多い場所もまだあります。ご自分の歩くルートの情報を集めて、必要な装備でお越しください。
【アクセス】
※沼山峠口
御池~沼山峠間のシャトルバスは運行中です。詳しくは、会津バスHPをご覧ください。
※大清水口
大清水~一ノ瀬間の低公害車は、6月14日(土)より運行開始予定です。詳しくは、片品村HPをご確認ください。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2025年「第一弾」は、尾瀬沼の早春シリーズです。(ミズバショウ、尾瀬沼と燧ヶ岳、オコジョ1、オコジョ2)

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