- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2025.06.12
2025年6月12日-尾瀬沼ビジターセンターより(木々の新芽いろいろ)
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尾瀬では、まだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
尾瀬においでになる際には、2025(令和7)年シーズンについての確認をお願い致します。=============================================================
■天気:晴れのち曇り
気温:13.3℃(9時)16.1℃(昨日の最高気温)6.9℃(今日の最低気温)
ブログをご覧のみなさま、こんにちは。
本日の尾瀬沼周辺は少し冷たい風が吹き、上着がないと震えるほどの冷気が漂っています。ひんやりと静寂とした空気の中、モリアオガエルの「カコココッ、カコココッ」という鳴き声が静けさの中で響き渡り、肌では寒さを感じつつも、その音からは夏の気配が確かに感じられます。
【釜ッ堀湿原の様子】

枯草色だった釜ッ堀湿原も若草色へと静かに移り変わり、ミズバショウの白が、湿原の緑の中にそっと溶け込んでいくようです。
【たくさんのサンカヨウ】

連日お問い合わせをいただくサンカヨウですが、実は第一展望デッキの近くに10株ほど見られます。少し藪に隠れた場所になりますので、尾瀬沼周辺にお越しの際は一度ビジターセンターにお立ち寄りいただき、場所をご確認ください。また、木道脇にある一つの株を除いて、木道から少し遠い場所に咲いています。双眼鏡を貸し出しておりますので、ご利用をおすすめいたします。
さて、尾瀬と言えばお花のイメージがあるかもしれませんが、実はこの季節、木々の新芽も魅力的な姿をしています。本日のブログでは、普段とは様子の違う木々の新芽をご紹介します。
【トチノキの新芽】

会津など雪深い地域で栃餅の原材料として馴染み深いトチノキが新芽を少しずつ大きくさせていました。よく似た葉を持つホオノキとは葉っぱのふちにあるギザギザ(鋸歯)の有無で見分けることができます。一部の木々の新芽は赤みを帯びていることがあります。これは成熟していない葉を強い光から守るために作られたアントシアニンなどの色素が要因となって、赤く見えるようです。
【コメツガの新芽】

コメツガの新芽の楽しみ方は冬を越した大人の葉と芽生えたばかりの子どもの葉の対比でしょうか。コメツガ、オオシラビソ、トウヒなど針葉樹の多い尾瀬沼周辺ですが、これからの季節、尾瀬沼の森も少しだけ白緑(びゃくろく)色に色づきます。
【カラマツの新芽】

カラマツは針葉樹では珍しく、秋になると全ての葉を落とす、いわゆる「落葉針葉樹」に分類されます。そのため、新芽の季節になると枝全体が一斉に芽吹き、鮮やかな緑色に覆われます。今この瞬間だけは普段のチクチクとした葉っぱではなく柔らかな葉先を見ることができます。
【ハリブキの新芽】

春の味覚として親しまれるタラの芽(タラノキ)にそっくりなこちらの新芽。正体はハリブキという木で、食用には適しません。(※尾瀬国立公園内では動植物の採取は規制されています)また、フキと名前がつきますが、葉がフキのように大きく見えることから名前がつけられたためで、分類上はあまりフキとは関係がないようです。タラノキでもフキでもない、全身ハリだらけの不思議な木。これからの尾瀬沼周辺でよく目にすることになります。
さて、本日紹介した木々の新芽のように、尾瀬にはお花以外にも様々な魅力があります。是非あなただけの尾瀬の魅力を見つけてみてはいかがでしょうか。
※尾瀬沼周辺はかなり雪が消えましたが、残雪が多い場所もまだありますので、おいでになる際には、チェーンスパイク等の雪山歩きができる装備で、安全第一でおいでください。
【アクセス】
※沼山峠口
御池~沼山峠間のシャトルバスは運行中です。詳しくは、会津バスHPをご覧ください。
※大清水口
大清水~一ノ瀬間の低公害車は、6月14日(土)より運行開始予定です。詳しくは、片品村HPをご確認ください。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2025年「第一弾」は、尾瀬沼の早春シリーズです。(ミズバショウ、尾瀬沼と燧ヶ岳、オコジョ1、オコジョ2)

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