- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2025.05.17
2025年5月17日-尾瀬沼ビジターセンターより(雪解雨)
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尾瀬では、まだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
尾瀬においでになる際には、2025(令和7)年シーズンについての確認をお願い致します。=============================================================
■天気:雨
■気温:9.1℃(9時)16.7℃(昨日の最高気温)3.2℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
尾瀬沼周辺は朝から冷たい雨が降り、燧ヶ岳は真っ白な雲に覆われています。雪解雨(ゆきげあめ)とは、積もった雪を解かすように降る雨という意味で、立春の時期の季節の挨拶にも使われています。春の訪れを感じるような言葉です。沖縄や奄美では来週にも梅雨入りする可能性があるようですが、尾瀬はまだ長い冬から目覚めたばかりです。
【第二大江橋付近から沼山峠方面をのぞむ】

雪に打ちつけた雨が水蒸気となって白煙のように立ち上り、視界が悪くなっていました。融雪が進んで薄っすらと木道が出ている箇所はありますが、天候不良時は道迷いにご注意ください。
【トウヒ付近にある土塁跡】

大江湿原を蛇行するように流れる大江川沿いに、1本のトウヒが立っています。そのトウヒの近くに不自然にこんもりとしている場所があります(分かりやすいように画像に赤い印をつけました)。これが幕末に会津軍が大江湿原に駐留した際に築いた土塁跡です。尾瀬では戦闘は行われませんでしたが、片品村戸倉にて会津軍と新政府軍が交戦したという記録が残っています。
【土塁跡に近づいてみると】

馬蹄型に盛り土がされている様子が確認できます。雪が解けて周囲の植物が茂ってくると、木道上から見つけることが難しくなってしまうため、この時期限定で楽しめる風景です。
もう一つ、この時期限定で楽しめる風景をご紹介します。
尾瀬沼にぷかぷかと赤いかたまりが浮かんでいます。これはアカシボ(赤渋)と呼ばれる彩雪現象です。
【アカシボ】

湿原の泥炭から供給された鉄と雪解け水に含まれる酸素から細菌の活動によって酸化鉄が作られ、雪が赤く染まると言われています。アカシボは雪解けのサインです。もうじき、青々とした色を湛えた尾瀬沼が現れるでしょう。
そして気になるのはミズバショウの開花状況です。
【雪が解けたばかりの場所に芽吹くミズバショウ】

雪が解けたばかりの場所に、ミズバショウの小さな芽をいくつも確認することができました。
【日当たりのよい場所に咲くミズバショウ】

日当たりのよい場所には、たくさんの白く可憐な姿のミズバショウが咲いていました。雪が解けた場所から時間差でミズバショウが次々と咲いていきます。ブログでは毎日お花の開花情報を公開していきますのでお楽しみに!
さて、本日より尾瀬沼ビジターセンター周辺にある2軒の山小屋が宿泊営業を開始しました。大清水から尾瀬沼までの登山道の状況についてお伝えします。
【三平峠の尾瀬看板(撮影日:令和7年5月16日)】

大清水から十二曲りの急坂を登り切ったところまではほとんど雪は残っていません。十二曲りの急坂を登り切った先から三平下までは木道が雪に覆われ、ピンク色のリボンを目印に雪道を歩きます。降雨や融雪により雪が緩んでいるため、踏み抜きに注意が必要です。天候不良時は特に視界が悪くなるため、GPSで現在地を確認しながら進んでください。三平下から尾瀬沼ビジターセンターまでは所々木道が見えてきていますが、雪の重みで倒れている木や枝を避けるために迂回するところもあります。雪道に慣れてない方は入山する時期を慎重に検討してください。
※尾瀬沼周辺は、まだ残雪が多くありますので、おいでになる際には、チェーンスパイク等の雪山歩きができる装備で、安全第一でおいでください。
【アクセス】
※沼山峠口
御池~沼山峠間のシャトルバスは、5月24日(土)より運行開始予定です。詳しくは、会津バスHPをご覧ください。
※大清水口
大清水~一ノ瀬間の低公害車は、まだ運行されていませんので、大清水から尾瀬沼まで歩きとなります。
今シーズンも皆様のおいでをお待ちしております。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2025年「第一弾」は、尾瀬沼の早春シリーズです。(ミズバショウ、尾瀬沼と燧ヶ岳、オコジョ1,オコジョ2)

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