- 山の鼻ビジターセンターブログ
- 2021.07.01
2021年7月1日—山の鼻ビジターセンターより(雨奇晴好)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
お出かけの際には各施設の営業予定や閉鎖予定の確認をお願い致します。
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■ 天気:雨のち曇り
■ 気温:17.0℃(最高気温) 13.6℃(最低気温)
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
いよいよ7月突入です!
お伝えしてきました通り、本日から至仏山が開山しました。
しかしながら、現在梅雨真っ只中。
至仏山は森林限界が低いため それ以上にあたる高山帯は遮るものがなく、良好な眺望が楽しめます。
しかし それは同時に 山行中 天候が崩れた際、雨風の影響をもろに受ける という側面も持っていることを忘れてはいけません。
ましてや、山を成す蛇紋岩は滑りやすい性質。
登られる方は 十分体調を整え、雨の中でも動きやすい服装と安全な装備でお越し頂ければと思います。
さて。
快晴の中での登山はしばらくお預けかもしれませんが、梅雨には梅雨の良さがあります。
【雨奇晴好】
晴れていても雨でも それぞれ良さや趣がある。
これまた 好きな言葉のひとつです。
カキツバタ。
ポツポツと雨の中、池塘をバックに撮影しました。
左は花を中心に。灰色の空を映す池塘も含め 上品で美しいと思いませんか。
右は大きくぼかした背後のヒツジグサがアクセント。
凛々しく奥ゆかしい日本人女性のような印象のカキツバタ。
「曇天の空はお嫌い?」と いたずらな笑みを浮かべているようでした。
そしてカキツバタと同じく、現在の尾瀬ヶ原で沢山見られるヒオウギアヤメ。
深い紫の花弁の中心に 一本だけ白い線が入っているカキツバタに対し、こちらは色味がやや明るめです。
花弁の付け根に白と黄色が配色されており 網目模様が目立つ点で見分ける事が出来ます。
ウラジロヨウラクをいつもと違うアングルで。
釣鐘状の花があまりにも可愛いため、横から撮りがちなのですが 実は上から見ても可愛いんです!
萼が星のような形をしています。
水滴がついているうちに撮れたら、全体的によりリズム感のある一枚になりそうです。
白樺とダケカンバの混成林。
標高1500mまでの高原を代表する白樺と、1500m以上の高山に主に植生する『岳樺』ことダケカンバ。
尾瀬はこのほぼ間に位置しているため 2種の混成林を見ることができます。
写真には映しきれませんでしたが、林の奥の見本園を漂う靄と相まって 梅雨の情緒を感じる光景でした。
尾瀬 × 奥行き。
自然のものをフレームのように使い、手前から奥、陰から光をイメージしてみました。
(この先になにがあるだろう。どんな光景に出会えるだろう。)
そんな高鳴る気持ちが 山歩きの楽しさの一つですよね。
雨の季節すら楽しみながら、盛夏の訪れを待ちましょう。
担当:佐久間