- 山の鼻ビジターセンターブログ
- 2020.09.18
2020年9月18日ー山の鼻ビジターセンターより(植物研究見本園防鹿柵の設置)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、山の鼻ビジターセンターは基本的な感染予防対策を実施したうえで、一部開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
鳩待峠から山ノ鼻間でツキノワグマの目撃情報が多くなっています。
夕方4時から翌朝7時頃まではツキノワグマの行動が活発になります。特にご注意ください。
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■ 天気:曇り
■ 気温:22.4℃(最高気温) 16.9℃(最低気温)
ブログをご覧の皆様こんにちは。
毎年秋になると、
夕暮れ時に「女の人の悲鳴が聞こえた」と
窓口に報告して下さるお客様がいらっしゃいます。
山中で女性の悲鳴なんて物騒な話ですが、
話を伺っていると
どうやら何かの鳴き声を聞き間違えている様子です。
その動物がこちら。
秋はニホンジカの恋の季節。
オスがメスを呼び寄せたり他のオスを威嚇して
女性の悲鳴のような声で鳴くのです。
ニホンジカと言えば尾瀬では困りものです。
今まで雪深い尾瀬には生息していなかったのですが
近年食べ物を求めて春から秋の間顔を見せるようになりました。
尾瀬の貴重な植物を食べてしまうニホンジカ。
このままでは尾瀬の貴重な植物が無くなってしまうかもしれません。
尾瀬の自然を守るため、
今年の秋から植物研究見本園の一部だけに設置されていた防鹿柵を
植物研究見本園の半分を覆うものに規模を広げる事となりました。
シカは飛び跳ねる能力が高く、低い柵では飛び越えられてしまいます。
なので防鹿柵は2mほどの高さが必要です。
写真2を見てみるとこの柵は三角の形をしていますね。
これは傾斜のある柵をシカが嫌う傾向にあるからだと
設置作業をしてくれた人が話してくれました。
こうして扉をつけてしまえば
木道の上を歩いて侵入することもできなくなります。
まだはじめたばかりの計画ですが、
期待どおりの効果があってくれればといいなあと思います。
彩とりどりの花が咲く賑やかな湿原が目に浮かび、
来年再来年が楽しみになりますね。
さてここで今日の尾瀬ヶ原の定点写真です。
草紅葉の色で彩られた広大な湿原を歩いていると
時折「キャアアアアアアア」と鬼気迫る声で
ニホンジカが恋の相手を呼んでいるのが聞こえます。
湿原の風景を守りつつ
彼らとも共生できる日がいつか来るといいですね。
担当:石川