- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2021.09.18
2021年9月18日ー尾瀬沼ビジターセンターより(野分近づく今日この頃)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、環境省尾瀬沼ビジターセンターは、基本的な感染予防対策を実施したうえで、開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
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■天気:曇りのち雨
■気温:16.0℃(9時)16.4℃(昨日の最高気温)13.2℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
今日は土曜日で登山客の方もちらほらと見えました。
台風予報を見ても尾瀬に直撃することはないようですが、
森の奥から聞こえてくる川の音や木々が風で大きくざわめく音、
鳥たちが鳴き交わす声などを聞くといよいよ近づいて来ているという感じがします。
古来、台風のことを人は「野分(のわき)」と呼んでいました。
晩夏から秋にかけて頻繁に訪れ、
私たちが生きてゆく上でとても厄介な現象です。
記憶にまだ新しいですが、
一昨年の台風は尾瀬沼を直撃したため、大変苦労しました。
【2019年10月12日 台風19号が来た時の第一大江橋付近の様子】
【2019年10月12日 台風19号が来た時の奥ッ沢の様子】
しかし、自然界では台風による暴風や増水によって
陸の地形に変化を生み出したり、海の中を攪拌することで
生態系を支える役割を果たすなど
一見、荒療治ではありますが、大切なものでもあるそうです。
今回は台風が直撃することなく通過しますが、油断はできません。
強い雨で体温を奪われたり、強風によって枝が落ちてきたり、
木そのものが倒れてくることもありますので十分に注意が必要です。
今は安全な場所でじっと台風が通り過ぎるのを待ちながらいますが、
現代の人とは違って昔の人は台風を違う視点でも見ていたそうです。
野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。
(台風の翌日はたいそうしみじみと趣深い。)
と、清少納言の『枕草子・野分のまたの日こそ』が有名ですが、
台風が過ぎ去った後の周辺の様子や人々の様子を事細かく綴られております。
この時代は天気予報もなく、
頑丈な屋敷でもなかったにも関わらず、
「しみじみと趣深いところがある」と描けるところを見る限り、
現代を生きる私達とは比べものにならないたくましさを感じさせます。
台風が過ぎ去った後の尾瀬の景色はどう変わるでしょうか。
来週には景色がどのように変わるか
少しドキドキしています。
台風通過後は天気が良くなる予報ではありますが、
急に天候が変わったり、気温もぐっと下がってきておりますので
雨具や防寒着などを必ず忘れずにお持ち下さい。
*体調に不安がある方や、自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えてください。
くれぐれも冷静な判断をお願いいたします。
尾瀬沼ビジターセンターより