- 活動報告
- 2012.09.25
「尾瀬を知る」フィールド講座 「会津沼田街道をたどる」を開催しました
実施日:平成24年9月22日(土)~23日(日)
尾瀬では草紅葉が見ごろを迎えていますが、そんな風光明媚な場所にかつて街道があったのをご存じでしょうか?
福島県会津若松市から尾瀬沼を経て、群馬県沼田市に続くこの道は、「会津街道」または「沼田街道」と呼ばれ、東北と関東とを結ぶ重要な街道でした。
この講座では、そんな往時を偲ぶ道のりをみんなで歩きながら、尾瀬が持つ別の姿を感じる事を目的に開催しました。自然分野のテーマが多かった「尾瀬を知るフィールド講座」でしたが、このテーマにも13名の方にご参加いただきました。
ということで、いつものとおり写真でその時のようすを少しおすそわけ。
今回の講座には講師として地元ガイドの星光幸さんをお招きしました。
光幸さんは尾瀬認定ガイドであり、尾瀬の麓の七入山荘のオーナーでもあります。
(左)今回の集合場所は沼山峠バス停。いくつかの諸注意と準備体操をしたら・・・
(右)尾瀬沼とは反対方向に向かって歩き始めます! あまり知られていませんが、ここから七入までの道のりは「道行沢(みちぎさわ、みちゆきざわ)」と呼ばれ、街道の雰囲気を最も残している場所なんです。
道の途中には、
(左)山の神さまの祠があったり、
(右)地元・檜枝岐村民が、夏になると山に入って出作りをしていた歴史を感じることができます。
(左)なによりも素晴らしかったのがこの森の雰囲気。木漏れ日が気持ち良い初秋トレッキングに、参加者も私も癒されていました。
(右)途中の橋で休憩と昼食。ここで光幸さんがナメコ汁を振る舞ってくれました。ナメコは昨年獲れたものを使いましたが、これには参加者のみなさんもビックリしていました。
(左)七入までの道のりは5.6km。光幸さんの解説とこの場所の雰囲気の良さで、時間を忘れてしまいます。
(右)道行沢には5つの橋が架かっており、七入から沼山峠方向に向かって「○番橋」と名前が付けられています。とてもシンプルで分かりやすいネーミングですが、当時行き来していた人たちが何を考えていたのかを考えると、とてもノスタルジックな気持ちになります。
(左)途中、光幸さんが教えてくれた面白いブナの巨木。
(右)終止なごやかな雰囲気で、4時間のトレッキングがあっという間に終わりました。
七入山荘で少し休憩をとった後は檜枝岐村内へ移動。
実はこの日は伝統ある檜枝岐歌舞伎の特別公演の日だったのです。
この2つめのサプライズにみなさんも再びビックリ。
落成式が終わったばかりの「檜枝岐歌舞伎伝承館」を見たり、尺八と箏の特別演奏と歌舞伎を楽しんでいただきました。
で、2日目は朝から雨・・・。
またまた担当者の雨男ぶりを発揮してしまい、申し訳ありません。
秋雨の中でも参加いただいた皆さんの熱心さは変わらず、今度は沼山峠バス停から、尾瀬沼を往復しました。
いつもは自然ガイドをする所ですが、今回はテーマを歴史や文化に絞ってご案内しました。
(左)戊辰戦争時代に作られたと言われる「土塁跡」
(右)物々交換の場所の一つとも言われた「尾瀬のいんぞう」
(左)尾瀬を水彩画で紹介した「大下藤次郎の碑」
(右)尾瀬沼畔に点在するイチイの大木の謎
などをご紹介しながら三平下に移動し・・・
最後は尾瀬沼山荘さんに飾られている、交易に使われた古銭をみんなで見学しました。
沼山峠で解散するまで、ずっと雨に降られっぱなしでしたが、いつもとは違う尾瀬の姿をご覧いただけたかと思います。
私が印象的だったのは、アンケートの最後に「ぜひ照る照る坊主のお守りを身に付けらん事を願う!」のひと言でした。次は旅の安全のために持ち歩きたいと思います!
(集合写真 : 1日目の途中にある「抱返ノ滝」にて)
担当:安類(あんるい)