- 活動報告
- 2012.10.01
「尾瀬を知る」フィールド講座 「尾瀬湿原復元の歩み」を開催しました
実施日:平成24年9月29日~30日
とうとうシーズン最後の講座です!
去年も同じことを書きましたが、最後の講座はズバリ! 「私たちが一番伝えたいこと」をテーマに設けました。
それが、尾瀬の湿原復元の歴史についてです。
「植生復元」と呼ばれるこの作業は、かつて木道が無かった頃に荒れ始めた湿原を人間の手で元に戻すというもので、いわば「湿原への恩返し」という作業です。
実はこの植生復元ですが、尾瀬が国内でも最も早い頃から取り組んでいるもので、そこで培われた知見や技術は、世界的にも稀なものだという事はあまり知られていません。
何気なく通過してしまっている湿原に、かつてどんな事が起きて、そしてその復元にどれだけの時間をかけてきたのかをみんなで見て・考えようというのが、この講座のねらいです。
前置きが長くなりました。
いつものように当日の写真でようすをお伝えしますね。
この講座は例年10月に入ってから開催されていましたが、せっかくなので、尾瀬沼の草紅葉も見ていただきたい!
ということで9月末に開催されました。
写真は三平峠付近から大江湿原を撮影したもの。スタッフの携帯電話で撮影したので、あまりよく撮れていませんが、湿原は「錦秋」と呼ぶのがぴったりのようすでした。
大江湿原。
(左)大江湿原から三本カラマツ方向。
(右)大江湿原から燧ヶ岳方向。
草紅葉は秋の青空との対比が本当に美しいですね!
(左)開花している植物はほとんどありませんが、この時期は植物たちが子孫を残すために色々な工夫を凝らしているのが見られます。写真はヤナギラン。秋の乾いた空気に乗って種を飛ばしていました。
(右)で、そうだ! 講座でした・・・。「植生復元」という難しいテーマでしたが、17名のご参加をいただきました。通常であれば座学をやってから現地を見学・・・という流れでしたが、台風17号の接近もあり、先に現地見学を行いました。みんなで沼尻に行き、何故ここが荒れてしまったのか? どうやって復元してきたのか? これからの展望や課題 等々を2班に分かれて見ていただきました。
沼尻から戻ってきた後は、会場でのんびり~。
今回は長蔵小屋さんのご好意から、別館をお借りしました。
(左)写真左奥が別館。右手前は昨年の会場だったANNEX2。
(右)別館2Fが宿泊部屋です。特に写真の5号室は角部屋で、なんと燧ヶ岳や大江湿原が一望出来るという好ロケーション! 部屋でのんびりしながら、尾瀬沼の夕暮れや朝焼けが見られるなんてリッチ~。残念ながら女性参加者のお部屋でしたので、私は見る事ができませんでしたが・・・。コタツがあるところも、季節を感じさせますね。
翌日は別館1Fフロアーで座学を開催しました。
(左)昨日見ていただいた沼尻だけでなく、尾瀬全体でこれまで取り組まれてきた植生復元の歴史や、今現在も続いている作業内容を、講師の桜澤さんからお話いただきました。
(右)真面目な講座でしたが、進行は終止なごやか~な感じでした。1Fは喫茶店も兼ねているので、講座途中でコーヒーブレイクを入れたり、窓越しに燧ヶ岳と雲の流れを見たりと、秋晴れの講座らしい雰囲気でした。
台風17号が接近していることもあり、2日目は早めに解散。
みんなで別館横のテラスに出て記念写真。
おかげさまで今シーズン全9回の講座を無事に終了することができました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
この講座を通じて、尾瀬の持つさまざまな魅力に触れ、尾瀬ファンになっていただければと思います!
で、解散後は台風から逃げるように(近づくように!?)下山。
(左)いつもより速度を上げて通り過ぎてゆく雲が印象的でした。
(右)そういえば今日(9月30日)は中秋の名月でした。大清水への帰り道でススキを見て、はっと気がつきました(笑)。
担当:安類(あんるい)