- 活動報告
- 2008.12.21
第10回尾瀬フォーラムを開催しました
昨年8月に、尾瀬国立公園が29番目の国立公園として誕生し、これまで以上に自然保護の精神と適正利用を推進していくことが求められている中で、みんなの尾瀬をみんなで考えるために、平成20年12月19日(金)に第10回尾瀬フォーラムを高崎シティギャラリーで開催しました。
今回の尾瀬フォーラムでは、当財団スタッフの根岸理佳子が「今シーズンの尾瀬を振り返って」というテーマでミニレクチャーを行いました。ミニレクチャーでは、今シーズンの尾瀬のトピックス、花の開花状況、尾瀬に棲む動物の状況など報告し、昨年度より、尾瀬国立公園に編入された田代・帝釈山や会津駒ヶ岳の様子も説明しました。このミニレクチャーを通じ、今シーズンの素晴らしい尾瀬の思い出に浸りながら、新しい尾瀬の魅力を発見できたのではないでしょうか。
その後の講演会では、フラワーエコロジストの田中肇先生に「尾瀬の花のふしぎと魅力を探る」と題して、お話をしていただきました。尾瀬に咲く花々を季節ごとに紹介していただき、それぞれの花が特徴的な形や色などを持っている理由を、ユーモアを交え楽しくお話していただきました。特に、興味深かった花は、ミズバショウ。田中先生曰く、ミズバショウは”スーパー植物”であり、繁殖を続けるためにいくつもの工夫をしている植物であるということです(ミズバショウの特徴については、財団機関誌「はるかな尾瀬vol.5」のリレーエッセイで田中先生が執筆されています)。田中先生のお話を通じ、尾瀬の花がいかに工夫して受粉を行いながら生育しているかという、まさに尾瀬の花の不思議を解き明かすことで、花と昆虫の結びつきを知り、そして、それらの生物が生きている尾瀬の自然の貴重さを改めて感じることができたことと思います。
今回の尾瀬フォーラムを通じて、尾瀬の自然環境への理解を深め、魅力を再確認し、自然保護への意識を高めていただければと考えています。