- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2025.09.28
2025年9月28日-尾瀬沼ビジターセンターより(沼尻~見晴の様子part1)
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お出かけの際には、2025年シーズンオフ関連情報 についての確認をお願いします。
【※注意】
〇見晴キャンプ場でツキノワグマの目撃情報が増えています。詳しくは、見晴キャンプ場付近でのツキノワグマの目撃についてをご確認ください。遭遇した場合は、速やかにその場を立ち去るようにし、観察する、写真を撮るなどの行為はおやめください(人馴れ等の原因となります)。
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■天気:曇りのち晴れ
気温 :13.6℃(9時)18.3℃(昨日の最高気温)10.3℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
尾瀬沼周辺では、朝は曇り空に包まれていましたが、時間が経つにつれ、美しい青空が広がっています。冷たい風が強く吹き抜け、白い真綿のような雲が、燧ヶ岳の上空を次々と流れていきます。陽射しは強く、歩いていると心地よい陽気ですが、立ち止まると肌寒さを感じます。防寒対策をしっかりされたうえで、散策をお楽しみください。
まずは、沼尻周辺の様子からお伝えします。
【沼尻の池塘と沼尻休憩所】

沼尻平湿原の草紅葉が進んでいます。8月頃、沼尻平を黄色く彩ったキンコウカは、実や葉が鮮やかなオレンジ色に色づき、草紅葉の色味にアクセント加えています。池塘に青空と白い雲が映り込み、草紅葉の茶、黄色、オレンジ、緑といった多様な色が掛け合わされ、絵画のような風景を作り出しています。
【ヒツジグサの紅葉】

ヒツジグサの鮮やかな紅葉が池塘を彩っています。今日は、9月最後の日曜日ということもあり、沼尻休憩所では多くのハイカーの皆さんが思い思いの時間を過ごされていました。
【水鳥集う尾瀬沼】

春、夏の尾瀬の森は、鳥のさえずりや鳴き声でにぎやかでしたが、今はひっそりとしており、静かな森歩きを楽しむことができます。翻って、尾瀬沼に集う水鳥が日に日に増えています。あちこちから、水鳥たちのユニークな鳴き声が聞こえ、騒がしくなってきました。特に、沼尻から尾瀬沼の北岸を周遊する登山道沿いから、多くの水鳥たちの姿を観察することができます。尾瀬沼ビジターセンターでは、双眼鏡を無料で貸し出していますので、ぜひご利用ください。
さて、一昨日、9月26日に赤田代付近でオランダガラシの除去作業を行い、その夜には、見晴にてナイトハイクのイベントを開催しました。そして、翌27日は、見晴から沼尻にかけて巡回を行いましたので、見晴から沼尻周辺での活動の様子を、今日と明後日の2回に分けて報告していきます。
まずは、9月26日に行ったオランダガラシの除去作業について報告します。
オランダガラシというと、ピンとこないかもしれませんが、クレソンと一般的に呼ばれており、スーパーなどで野菜として売られ、サラダやハンバーグの添え物としてよく知られている植物です。全国の湧水や渓流に侵入して大繁茂している外来種で、繁殖力が強く大群落を作り、水辺に生育する在来の植物を被圧する被害が出ています。環境省および農林水産省が定めた生態系被害防止外来種のうち重点対策外来種に指定されています。尾瀬では、1954年頃に山小屋の食用として持ち込まれたと考えられています。
【オオバタネツケバナとオランダガラシ】

左が在来種のオオバタネツケバナ、右が駆除対象のオランダガラシです。どちらも沢沿いに生育しており、パッとみた感じでは見分けがつきません。福島大学の黒沢先生より見分け方のコツについてレクチャーを受けてから作業を開始しました。
【オランダガラシ除去作業の様子】

木道から眺める沢は、清らかで美しく見えますが、実際に足を踏み入れると、ぬかるみが酷く、最も深い場所では太もも近くまで足が沈み込みました。思うように体を動かすことができず、なかなかの重労働でした。
【除去したオランダガラシ】

2時間程度の作業で、袋いっぱいのオランダガラシを除去することができました。昨年、除去作業を行った沢の上流部では、オランダガラシの数はかなり減少しており、除去作業の効果を確認することができました。また、ミズバショウやリュウキンカなどの在来種の群落が温存されている場所では、オランダガラシの現存量が低く抑えられていると指摘されていることからも、在来種をシカの食害から守ることがオランダガラシの繁茂を抑制することにもつながると考えられています。外来種の駆除と在来種の保護を両輪で取り組んでいくことが大切です。
明後日のブログでは、沼尻~見晴の様子part2と題して、見晴ナイトハイクの様子と、沼尻~見晴間の登山道の状況について報告します。お楽しみに♪
※尾瀬沼地区においてツキノワグマの目撃報告があります。大江湿原と釜ッ堀湿原にクマ鐘を設置してあります。ツキノワグマと遭遇しないように、クマ鐘を鳴らして通行する、クマ鈴を携行するなどの安全対策をお願いします。詳しくはこちらをご覧ください。
※尾瀬では、森の中と湿原で体感温度が違います。遮るものがない湿原では、晴れの日は暑く、風が吹くと寒く感じます。また、天候が変わりやすく、急に大雨が降ることもあります。帽子や日焼け止め、雨具を必ずお持ちください。
【アクセス】
※沼山峠口
御池~沼山峠間のシャトルバスは運行中です。詳しくは、会津バスHPをご覧ください。
※大清水口
大清水~一ノ瀬間の低公害車は運行中です。詳しくは、片品村HPをご確認ください。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2025年「第五弾」は、尾瀬沼の秋シリーズです。(オヤマリンドウ、沼尻の草紅葉、ヤマネ、ヤマネと紅葉)

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