- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2025.09.03
2025年9月3日-尾瀬沼ビジターセンターより(大江湿原周辺の様子)
=============================================================
尾瀬では、まだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
尾瀬においでになる際には、2025(令和7)年シーズンについての確認をお願い致します。=============================================================
■天気:曇り時々雨
気温 :18.3℃(9時)25.8℃(昨日の最高気温)16.2℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
尾瀬沼周辺は、早朝から雨が降ったり止んだりを繰り返す天気です。燧ヶ岳上空の厚い雲は足早に流れていき、時折、青空が見えて陽がさすものの、天候は不安定です。
【本日の大江湿原の様子】

1週間ぶりにまとまった雨が降ったおかげで、湿原の植物や森の樹木は潤い、いつも以上に尾瀬の生き物たちはいきいきしているように見えました。
さて、先日、沼山峠登山口から大江湿原周辺、そして尾瀬沼キャンプ場の奥から1時間ほど樹林帯のなかを登った先にある小淵沢田代を巡回してきました。巡回で出会った植物や風景について紹介していきます。
沼山峠登山口から大江湿原入口までの沼山峠を越えて、オオシラビソなどの針葉樹の森を抜けていく登山道は、早くも秋の装いです。
【シラタマノキの実(令和7年9月1日撮影)】

シラタマノキはその名の通り、コロンとしたかわいらしい白い実をつけます。実を一粒口の中に入れると、ほのかな甘みとスーッとした清涼感が口に広がるそうですが、尾瀬国立公園内は植物の採取は禁じられていますので、他の地域で試す機会があれば試してみてくださいね。
【アカモノの実(令和7年9月1日撮影)】

シラタマノキが別名シロモノというのに対し、こちらは赤い実が実るアカモノです。熟した実は生食可能で酸味があるそうです。こちらも他の地域で口にする機会がありましたらお試しください。
【オヤマリンドウ(令和7年9月1日撮影)】

初秋のこの時期、樹林帯に咲く花の代表格であるオヤマリンドウが登山道沿いのあちらこちらで見られました。花の色は個体差があり、青みがかったものや濃い紫色のものなどバリエーション豊かです。こちらのオヤマリンドウは先端に向かって色が濃くなっていく薄紫のグラデーションと水玉模様が可愛らしいですね。
【エゾリンドウの蕾(令和7年9月1日撮影)】

ついにお花リレーの最終走者、エゾリンドウの蕾を大江湿原で発見したぞ!と喜び、開花していく様子を観察していこうと意気込んでいたのもつかの間、今朝の強い雨で流され、他の植物の下敷きになってしまったのか、一昨日咲いていた場所で再度見つけることができませんでした。尾瀬の自然の厳しさと残酷さを改めて感じました。
【小淵沢田代へ向かう登山道から眺める燧ヶ岳(令和7年9月1日撮影)】

尾瀬沼キャンプ場の奥より、小淵沢田代までの登山道が続いていきます。途中、つづら折りの急坂を息も絶え絶え登っていくと、樹木の間から燧ヶ岳と青く光る尾瀬沼をのぞむことができます。ビジターセンター周辺から燧ヶ岳を見上げると、手前の御池岳に阻まれて最高峰の柴安嵓をはっきりと確認するのは難しいのですが、ここからはしっかりと柴安嵓(画像では真ん中奥のピーク)を眺めることができました。
【小淵沢田代から眺める日光の山々(令和7年9月1日撮影)】

小淵沢田代は訪れる人の少ない静かな湿原ですが、晴れていれば日光白根山をはじめとした日光の山々の雄姿を眺めることができる絶景ポイントです。現在、湿原ではウメバチソウ、イワショウブ、ミヤマアキノキリンソウをお楽しみいただけます。
【オオシラビソとトウヒの幼木(令和7年9月1日撮影)】

小淵沢田代をあとにして、大江湿原の小淵沢田代分岐へ下っていく樹林帯の登山道はゆるやかで気持ちのよい道です。野鳥の鳴き声が森林内に響き、尾瀬の森の豊かさや奥深さを楽しむことができます。登山道脇の朽ちた切り株にオオシラビソ(左)とトウヒ(右)の幼木を見つけました。種は違えども、厳しい尾瀬の自然のなかでともに寄り添うように成長し、いずれ命溢れる尾瀬の美しい森を育むのでしょう。
詳しい登山道の様子は、2025年9月1日-大江湿原の様子をご確認ください。
※尾瀬沼地区においてツキノワグマの目撃報告があります。大江湿原と釜ッ堀湿原にクマ鐘を設置してあります。ツキノワグマと遭遇しないように、クマ鐘を鳴らして通行するとかクマ鈴を携行するなどの安全対策をお願いします。詳しくはこちらをご覧ください。
※尾瀬では、森の中と湿原で体感温度が違います。遮るものがない湿原では、晴れの日は暑く、風が吹くと寒く感じます。また、天候が変わりやすく、急に大雨が降ることもあります。帽子や日焼け止め、雨具を必ずお持ちください。
◆秋の特別トークショーのお知らせ
9月14日に歩荷さんをお呼びしてのトークショーを予定しています。参加費は無料です。 詳しくは、こちら<【尾瀬沼ビジターセンターのイベント情報】(歩荷さんトークショー)>をご覧ください。
【アクセス】
※沼山峠口
御池~沼山峠間のシャトルバスは運行中です。詳しくは、会津バスHPをご覧ください。
※大清水口
大清水~一ノ瀬間の低公害車は運行中です。詳しくは、片品村HPをご確認ください。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2025年「第四弾」は、尾瀬沼の夏シリーズです。(三本カラマツ、ハクサンコザクラ、ヤマネ、アサギマダラ)

尾瀬沼ビジターセンター











