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  • 尾瀬沼ビジターセンターブログ
  • 2024.06.28

2024年6月28日-尾瀬沼ビジターセンターより(ミズナラの森、会津沼田街道)

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尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。現在、尾瀬沼周辺の売店は営業していない日もあります。(昼食営業は一部のみ)自動販売機もありませんので、食べ物や飲み物をご持参をおすすめします。
お出かけの際には、2024(令和6)年シーズンについての確認をお願いします。============================================================

■天気:曇りのち雨
■気温:13.8℃(9時)23.8℃(昨日の最高気温)11.1℃(今日の最低気温)

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。静かな尾瀬沼周辺に「ギチチチチッ」とモズのけたたましい鳴き声が響き渡る、そんな朝を迎えました。

【大江湿原の様子】

大江湿原では白いワタスゲが緑の湿原を彩り、赤いレンゲツツジがアクセントを加える、そんな景色が見られました。

さて先日、大清水から三平下にかけて巡回へ行ってきました。本日は、その時に歩いた大清水から一ノ瀬にかけての旧道、会津沼田街道を中心にご紹介します。

【登山道の様子】

大清水から一ノ瀬の林道に平行して旧道が位置しています。静かな森の中を、沢を横切る橋を渡りながらの散策はちょっとした探検気分を味わえます。なお北側(一ノ瀬側)の区間は橋の劣化により通行禁止となっていますのでご注意ください。

【ミズナラの森】

ミズナラの巨木
ミズナラの葉

以前のブログ(2024年6月5日-尾瀬沼ビジターセンターより(ブナの森、御池古道))でブナの森についてご紹介しました。ブナは日本海側でよく見られる樹種ですが、三平峠よりも南の太平洋側に位置する大清水周辺ではギザギザとした葉が特徴的なミズナラの木がよく見られます。ミズナラはブナに比べて乾燥に強く、ブナはミズナラに比べて積雪に強く、といった具合にそれぞれが対照的な特徴を持つため、どちらも尾瀬沼周辺の標高1000~1500m付近によく見られますが、ミズナラとブナは太平洋側と日本海側でうまく生育場所の住み分けをしているようです。

【閉じた林冠】

森の中で頭上を見上げると、一面葉に覆われています。ミズナラの幼木はブナに比べて暗い森の中では生長に一苦労するようです。苦労しているのは幼木だけではなく、生長した木々も同様です。それぞれの木が隣接する木に光を取られまいと枝葉を広げています。よく見ると、それぞれの木々が空の縄張りを主張するかのように、葉の境目に青空の領域線のようなものが見えてきませんか?特に、風の強い日に森の木々を見上げると木の枝同士が激しくぶつかり合い、まるで戦いのような光景が見られます。

【ギャップ】

ミズナラの幼木も苦労ばかりではありません。森の中では台風や大雨によって倒木が発生し、ポッカリと大きな穴が空き、陽光が射し込む場所ができます。これを生物学の用語でギャップと呼びますが、このギャップがミズナラを初めとする多くの木々の生育に重要な役割を果たします。時折、森の中にギャップが発生することによって強い日差しを必要とする植物が急成長し、森の中の種の多様性がより豊かになっていきます。

【ミズナラの森の生き物達】

カワトンボの仲間
アズマヒキガエル

豊かな森の中では生き物の息づかいがたくさん聞こえてきます。カワトンボの仲間が雌を巡って「バチバチッ」と激しい音を立てて飛び交っていました。梅雨を迎え、登山道ではアズマヒキガエルがのしのしと歩く姿をよく見るようになりました。また、姿は見えずとも沢沿いからは「キュコッ、キュコッ、コッコッコ」とタゴガエルの鳴き声も聞こえてきます。いろいろな生き物の気配が聞こえる、そんなミズナラの森、会津沼田街道でした。その他、大清水から三平下までの登山道の様子についてはこちらの尾瀬情報(2024年6月26日ー三平下~大清水の様子)をご覧下さい。

<ご注意>

◆登山道には古くなって破損した木道や階段があります。割れたり、傾いたりしていますので気をつけて歩きましょう。

◆会津沼田街道(沼山峠~七入)では倒木や橋が流されている場所がありますので、通行の際には事前に確認をお願いします。

◆燧ヶ岳御池登山道(御池~俎嵓)では倒木で通行しにくくなっている場所があります。また、8合目付近の急斜面では例年通り残雪があり滑落防止に注意が必要です。

<お知らせ>

◎三平下および富士見峠の公衆トイレが故障のためご利用できません、ご注意ください。

<ご案内>

◆「尾瀬からのお便り」

今年も「尾瀬からのお便り」イベントを始めました。窓口でハガキ、切手等を準備しております。檜枝岐郵便局限定の尾瀬の風景印が押印された「尾瀬からお便り」を出してみてはいかがでしょうか。

◆自然観察会「尾瀬を感じるミニツアー」
 午前9時からと昼12時30分から、毎日2回開催しています。参加費は無料ですので、どうぞ、ご参加ください(雨でも開催しています)。

◆「夜のスライドショー」
 金曜、土曜及び祝前日に宿泊者向けのイベントとして夜19時からスライドショーを開催しています。参加費は無料です。

※詳しくは、尾瀬沼ビジターセンターまでお問い合わせください。
電話:090-8137-6006(7:30~16:00)

【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2024年「第二弾」は「第一弾」で好評だったオコジョに加えて、尾瀬沼の初夏シリーズです。(三本カラマツ白虹・ヤマネ・サンカヨウ・タテヤマリンドウ)

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