- 山の鼻ビジターセンターブログ
- 2022.07.27
2022年7月27日ー山の鼻ビジターセンターより(尾瀬の地名と由来)
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尾瀬への入山にあたっては「安全登山のススメ」をご確認ください。
2022年(令和4年)シーズンの各施設の営業予定についてはこちらのページをご参考ください。
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■ 天気:曇り時々雨
■ 気温:25.9℃(最高気温) 17.6℃(最低気温)
いま見本園ではキンコウカが群生し黄色い絨毯のようです。(見本園の一部は閉鎖されています。)
【今日の見本園の様子】
尾瀬には難しい漢字や読み方がいろいろあります。そのいくつかをご紹介しましょう。
そもそも尾瀬は「をぜ」と呼ぶのが正しいそうです。語源学からいえば「尾瀬」は「生瀬」であり、「浅い水湖中に草木の生えた状態」つまり湿原の意味ということです。
見晴(みはらし)は、いまから60年前ころに与えられた名前で、昔は丈堀(じょうほり)と呼ばれていた場所です。丈堀とは、弥四郎小屋のそばに湧く清水のこと。尾瀬ヶ原の展望がひじょうにすばらしいことから「見晴」と名付けられ、現在はこの名が定着しました。
【見晴地区】
【見晴から尾瀬ヶ原を望む】
上田代(うわたしろ)は、北に向かって緩く傾斜する燧裏林道で最大の美しい湿原です。田代坂の上にあるから上田代(うわたしろ)と呼ばれています。ちなみに、同じ上田代でも尾瀬ヶ原でもっとも上流に位置する、山ノ鼻から上ノ大堀川までの地帯は「かみたしろ」と読みます。
【燧裏の上田代(うわたしろ)】
【尾瀬ヶ原の上田代(かみたしろ)】
渋沢(しぼさわ)は爼嵓(まないたぐら)と柴安嵓(しばやすぐら)の間から流れ下る燧ヶ岳最大の荒沢で、水がほとんどなく巨石がゴロゴロしている沢です。この沢の下流で硫黄泉が湧出し、沢水が白濁して渋いところから渋沢(しぼさわ)と呼ばれています。
【裏燧橋から渋沢を望む】
平滑ノ滝(ひらなめのたき)は、燧ヶ岳の溶岩流が造り出した傾斜25度の大スラブ(滑らかな一枚岩のような岩盤)上を、只見川が長さ500mにわたって奔流する滝です。滝の形からきています。
【平滑ノ滝】
引用文献 京極實(1973):尾瀬の旅と地名
尾瀬と人との関わりは古く、1600年ころから上州(群馬県)と会津(福島県)の交易の場となり、明治の中頃(1890年頃)まで続きました。尾瀬の歴史、地名の由来やよび方を知ることで、尾瀬の魅力がより深くなれば幸いです。
※ツキノワグマの目撃が頻発しているため、入山者の安全対策として植物研究見本園を閉鎖しています。
(詳しくはこちらのページをご参考ください。)
※また同じ理由により、7月23日から安全が確認できるまで当分の間、山ノ鼻キャンプ場が閉鎖されました。
お問い合わせはこちらからお願いいたします。
尾瀬山の鼻ビジターセンター 田原