- 山の鼻ビジターセンターブログ
- 2022.07.23
2022年7月23日ー山の鼻ビジターセンターより(尾瀬ヶ原の山々)
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尾瀬への入山にあたっては「安全登山のススメ」をご確認ください。
2022年(令和4年)シーズンの各施設の営業予定についてはこちらのページをご参考ください。
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■ 天気:曇り
■ 気温:20.3℃(最高気温) 12.6℃(最低気温)
尾瀬国立公園には2,000mを超える山がたくさんありますが、尾瀬ヶ原から見えるいくつかの山についてご紹介します。
東の燧ケ岳(ひうちがたけ、2,356m)は、東北・北海道における最高峰であり、尾瀬ではいちばん新しい山で、最後に噴火したのは500年前という火山です。
【燧ヶ岳】
尾瀬ヶ原から見ると頂上がでこぼこしています。柴安嵓(しばやすぐら、2,356m)、爼嵓(まないたぐら、2,346m)、御池岳(みいけだけ、2,284m)、赤ナグレ岳(2,249m)と名前がついていて、何回もの噴火によって燧ヶ岳ができたことがわかります。最古の噴火は約35万年前だそうです。
北の景鶴山(けいづるさん、2,004m)の山頂付近に見えるこぶのような岩は、溶岩が侵食されて堅い部分だけが残ったものです。数百年前に火山活動がはじまり、最初に噴火したのが景鶴山でした。景鶴山の溶岩は尾瀬ヶ原一帯を覆っていたと考えられていますが、ほとんどが侵食されて残っていません。現在は植生保護のため登山禁止となっています。
【景鶴山】
西の至仏山(しぶつさん、2,228m)は、火山ではなく地下の深いところにある岩石が盛り上がってできた山です。2億3千万年前、恐竜の時代に地球内部のマントルを構成するカンラン岩が海水の作用をうけて蛇紋岩に変化しました。至仏山上部はこの蛇紋岩という岩石でできており、多量のマグネシウムや微量の重金属類を含んでいるため、通常の植物は生育しにくい環境です。至仏山では、氷河期から生き残った(蛇紋岩残存種)オゼソウ、カトウハコベや他の地域から入り込んで変形した(蛇紋岩変形種)シブツアサツキ、ホソバヒナウスユキソウが見られます。また、蛇紋岩のせいで森林限界が1,700mと低く、燧ヶ岳に比べてより低い標高から高山帯が現れます。
【至仏山】
【オゼソウ】
【ホソバヒナウスユキソウ】
高山植物の宝庫である至仏山は人気が高く、7月1日の山開き以来多くの登山客で賑わっています。山ノ鼻から直登する東面登山道は、登り専用の片道通行であり、滑りやすい急な岩場もあります。途中にトイレはありません。登山用の装備と体調管理をしっかり行いましょう。
ツキノワグマの目撃が頻発しているため、入山者の安全対策として7月19日から植物研究見本園全域を一時閉鎖しています。
(詳しくはこちらのページをご参考ください。)
また同じ理由により、7月23日から安全が確認できるまで当分の間、山ノ鼻キャンプ場が閉鎖されました。
お問い合わせはこちらからお願いいたします。
尾瀬山の鼻ビジターセンター 田原