- 山の鼻ビジターセンターブログ
- 2021.06.24
2021年6月24日—山の鼻ビジターセンターより(ごみ持ち帰り運動のはなし)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
お出かけの際には各施設の営業予定や閉鎖予定の確認をお願い致します。
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■ 天気:曇り
■ 気温:20.3℃(最高気温) 11.3℃(最低気温)
今日、山ノ鼻の木道脇に落ちていたごみを職員が見つけて拾ってきました。
かなり年代の古い、ビールの空き缶でした。
調べてみるとロゴ自体は1958年(昭和33年)からの物でしたが、飲み口が缶切りの要らないプルトップの口になっていたので、プルトップ缶が出たのが1965年(昭和40年)からとの事。
昭和40年代の空き缶が山ノ鼻で出土しました。
折角ですので、今日はごみ持ち帰り運動のお話をしたいと思います。
昭和30年代後半からの空前の尾瀬ブームが起きた時からのお話になります。
当時の尾瀬には、山の中でもごみ箱が設置してあり、尾瀬に入山した人はごみを尾瀬の中に捨てていました。
空前の尾瀬ブームだったので、かなりのごみが尾瀬の中に入って来てしまいます。
最初はそのごみを土の中に埋めたりしていましたが、徐々にごみの処理が間に合わなくなります。
(その時の空き缶が出て来たのですね)
「このままでは尾瀬の自然が壊れてしまう」と危惧した山小屋組合などの尾瀬関係者らによって
まず、当時1400個設置してあったと言われるごみ箱の撤去を行いました。
そして昭和47年に「ごみ持ち帰り運動」が始まりました。
最初は山小屋や登山口まで。
次は駅まで。
そして自分の家まで。
と、段階を経て自分のごみは自分で持って帰る様にしてもらう運動でした。
運動は次第に全国へと広がります。
現在では、私たち山に登る人のルール、マナー、基本として成り立っております。
尾瀬は「ごみ持ち帰り運動発祥の地」と言われています。
ごみの持ち帰り運動はビジターセンター内でも紹介されています。
昭和30年代の土に埋めていたごみも、沢山の人の手に寄って掘り出され、尾瀬の外へと運ばれて行きました。
尾瀬の自然保護活動の話は山の鼻ビジターセンターのレクチャールームで毎週金、土曜の夕方18時15分からスライドレクチャーで私達職員が詳しい話をしています。
山ノ鼻にお泊りの方は是非、ご飯を食べた後にご参加下さい。(予約制になっておりますので事前にご予約ください。)
尾瀬は今でもごみ袋を持って自主的に清掃活動をされている人が沢山いらっしゃいます。
尾瀬の自然は、本当に沢山の人達によって守られてきた場所なんですね。
みんなの尾瀬を、みんなで守り、みんなで楽しむ
これからの私たちも、「尾瀬を守ってきた沢山の人達のひとり」になっていきましょう。
担当:坂上