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  • 今日の尾瀬
  • 2019.06.30

2019年6月30日-尾瀬沼ビジターセンターより(小沢平外来種駆除作業)

■ 天候:雨のち曇り
■ 気温:17.0℃(9時) 19.1℃(昨日の最高気温) 14.8℃(今日の最低気温)

ブログをご覧の皆様、こんにちは。
今朝の尾瀬は大雨で大荒れ。木道は濡れて滑りやすくなっています。
雨の中歩いていると注意散漫になってふとした瞬間に転倒してしまうかも…。気をつけて歩いていただければと思います。

さて、我々ビジターセンター職員は昨日、小沢平にて外来種であるオオハンゴンソウの駆除作業に協力してきました。
オオハンゴンソウは北アメリカ原産の多年生植物。
明治時代中期に観賞用に導入された黄色い花です。

在来の種を押しのけ繁殖している特定外来生物に指定された植物です。

*特定外来生物・・・【外来生物法】によって生態系等に被害を及ぼすものとして指定された生物。

根から再生することもある事から、文字通り根こそぎ駆除する必要があります。
元々の種と間違わないようにボランティアの皆さんと一緒にオオハンゴンソウの形を確認し、移植ゴテ片手に作業開始です。

【似ている在来種と間違わないようにオオハンゴンソウの形を確認】

その作業の途中。オオハンゴンソウを根っこごと引き抜いた瞬間、思わずびっくり・・・。
かわいい生き物が顔を出しました。

【クロサンショウウオ】

クロサンショウウオは渓流中を含め、渓流域の広範な広葉樹林に生息しています。
環境省のレッドデータブック2019年度に
「クロサンショウウオ」は準絶滅危惧種に指定されております。
この準絶滅危惧種とは、現時点での絶滅危険度は小さいが、
生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種を指します。

駆除作業をしているときにもっとも驚いたのは、
本来あるべき在来の植物がほとんどなく
オオハンゴンソウがその大半の植生だったことです。

【オオハンゴンソウ駆除前】

【オオハンゴンソウ駆除後】

また、尾瀬近隣の日光国立公園の戦場ヶ原では、寒さや湿地に強く盛んに繁殖するため、
ホザキシモツケ、イヌコリヤナギ、オノエヤナギ、ズミなどの低木をおしのけ
一面に広がる勢いで生育しているようで、在来種の減少がみられ、
湿原植物を保護するために毎年刈り取られているが、根絶は不可能とされています。

(*環境省HP 特定外来生物法 日本の外来種対策 特定外来生物の解説 参考)

人の手によって観賞用に持ち込まれたオオハンゴンソウ。
それがまた、人の手によって駆除される悲しい形になってしまいます。
そして、その危機が尾瀬に迫っている現実もしっかりと受け止め、
少しでもできることをしなくてはならないのではないでしょうか・・・。

たくさんのボランティアの方々に助けていただいて、
環境省や林野庁、福島県、檜枝岐村など多くの関係者の方々の力添えもあって、
今回の駆除作業は無事に終わりました。
本当にありがとうございました。

【駆除されたオオハンゴンソウ-トラックいっぱいに・・・】

【オオハンゴンソウ駆除に参加して頂いた皆様】

いつまでも美しい尾瀬の自然が楽しめるように
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

担当:石川

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