- 活動報告
- 2008.01.15
尾瀬ガイダンスを実施しました(平成19年度尾瀬ガイダンス実施報告書)
平成19年度尾瀬ガイダンス 開催報告
主催:環境省関東地方環境事務所、財団法人尾瀬保護財団
共催:社団法人日本旅行業協会、旅行業ツアー登山協議会
■目的/
尾瀬は、今年8月末に尾瀬国立公園に指定され、29番目の日本の国立公園として誕生しました。今後の尾瀬国立公園の運営にはさらなる自然環境保護の取り組みと、快適で豊かな自然体験を味わえる利用方法が必要とされています。
尾瀬ガイダンスは、尾瀬ツアーを企画している旅行会社や出版社を対象に平成8年から開催されているイベントで、自然ガイドの活用など、尾瀬の適切な利用方法について学んでいただくことを目的としております。
■会場・日時/
①東京:平成19年12月4日(火)13時~16時
社団法人日本旅行業協会 研修室(千代田区霞ヶ関3-3-3全日通霞ヶ関ビル4F)
②大阪:平成19年12月20日(木)13時30分~16時
大阪市立難波市民学習センター第1研修室(大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATビル4階)
③福岡:平成19年12月21日(金)13時~15時30分
新光ビル2階 会議室(福岡市中央区天神4-4-24)
■概要/
◆講演 (大阪・福岡会場のみ) 「ガイドと行く初めての尾瀬」(資料1)
塩田 政一(片品山岳ガイド協会事務局長)
●ガイド利用のメリット ~尾瀬ツアーに付加価値を~
●お客様から寄せられた声
●尾瀬は泊まってこそ価値がある
●私の好きなコース など
◆「尾瀬認定ガイド制度の創設」(資料2)
阿部 誠・坂井雅範(尾瀬保護財団)
●尾瀬ガイドネットワークについて
●尾瀬認定ガイド制度づくりに参画する関係者
●尾瀬認定ガイド制度が確立することの利点 など
◆「尾瀬国立公園編入エリアの利用方法」(資料3)
安類智仁(尾瀬保護財団)
●会津駒ヶ岳、田代山、帝釈山の特徴と魅力
●3山へのアプローチ
●3山の利用のルール など
◆「8月の尾瀬との出会い ~8月のエコツアーを通して見た尾瀬~」(資料4)
安類智仁(尾瀬保護財団)
●8月の利用者のようす
●エコツアーで体験した、風景・植物・動物・夜・・・ など
◆「平成20年度尾瀬ツアー企画時の配慮事項」(資料5、6、7)
安類智仁(尾瀬保護財団)
●平成20年度の尾瀬トピックス
●尾瀬ツアー企画時の参考情報
●ツアーパンフレットに記載していただきたいこと
●尾瀬利用中の注意点 など
■質疑応答/
[塩田講師への質問]
Q ガイドがスタートできる時刻は何時からか。
A 鳩待峠へ至る車道のゲートが開放されるのが早朝5時であり、これがガイドがスタートできる最も早い時間となる。この時間を超えてのガイドは宿泊が必要であり、別途料金が発生する。
Q ガイドはどうやって依頼すれば良いか。
A 片品山岳ガイド協会では、最低でも1週間前にFAXや電話で申込みして欲しい。
Q ガイドと取り交わす契約はあるか。
A 片品山岳ガイド協会では相手方の希望に応じて契約を交わしている。こちらは日常的に契約を取り交わしてはいない。年間の最低ガイド依頼数や催行人数などについては特に規定していない。応相談である。
[尾瀬認定ガイド制度について]
Q 資料に日本山岳ガイド協会との整合性について書かれていたが、具体的にはどうような整合性を取る予定か。
A 基本的には日本山岳ガイド協会の制度の他にも様々なガイド資格が存在しており、尾瀬は資格については後発となる。このため既存ガイド資格との整合性が必要となるが、具体的なやり取りはこれからである。
Q 新聞報道では20年11月に募集し、21年3月に認定第一号が誕生するとあるが、これでは現地講習・試験が実施されていない。これは矛盾があるのではないか。
A 今年度に尾瀬認定ガイド制度研究会を発足し、おおまかな尾瀬ガイドの方向性や枠組みを協議する。来年度には尾瀬認定ガイド協議会が発足し試験内容や登録の仕組みなど、運用上に必要な内容を協議する。
尾瀬認定ガイド研究会でも募集から認定のスケジュールについて、ガイドにとって現地での研修が重要であるとの意見が交わされており、現段階では20年11月に募集し、現地講習を21年5月を行い、認定を21年6月に実施する予定。また試験にするのか登録にするかは未定。私たちとしては実力の伴った認定制度にしたい。
Q ガイドの料金は統一されたものになるのか。
A 今回のガイド制度はそれぞれのガイドの個性を発揮しながら、底辺の底上げをすることを目的にしている。ガイド事業者の活動に沿った料金をそれぞれが設定している。認定制度は料金を統一するものではない。
[尾瀬国立公園編入エリアの利用方法について]
Q 会津駒ヶ岳に登山するのに最も楽なコースはどこか。
A 滝沢登山口が最も短時間で登頂できるが、往復で7時間程度は必要で、コースグレードとしては燧ヶ岳などと同等である。
[平成20年度尾瀬ツアー企画時の配慮事項について]
Q 至仏山の残雪期閉鎖終了日は毎年6月末なのか。
A 5月11日~6月末で毎年実施しているが、残雪の状況が極端に少ない場合には過去に数日早くに閉鎖解除したことがある。基本的には6月末と理解していただけれと思う。
[その他]
Q 尾瀬に行ったことが無いが、ツアー企画をする際に最も注意すべきことは何か。
A 尾瀬国立公園は面積が37,200haあり、一日で歩ききれる広さではない。大まかには尾瀬ヶ原と尾瀬沼の地域に分かれており、標高の低い尾瀬ヶ原でも1,400mの高さにある。気温の目安として、東京の気温から10℃マイナスしたものが尾瀬の気温となる。このため真夏でも服装などに注意する必要があり、速乾性の下着、動きやすい服装、トレッキングシューズ、雨具などの基本的な装備をそろえる必要がある。
Q 尾瀬は冬に入山できるか。
A 入山を禁止していないが、アプローチの車道が冬季閉鎖され、バスなどの運行も行っていない。このため冬季入山には雪道を入山するだけで一日歩く必要がある。一般的には利用できないと考えて頂きたい。
Q 福岡からどうアクセスしたら良いか。
A 群馬県側、福島県側、新潟県側と3方向からの入山経路があり、それぞれで異なる。東京方面からのアクセスについては配布したパンフレットに概念図が掲載されているので参照いただきたい。
Q 尾瀬ヶ原と尾瀬沼の両方を日帰り登山することはできるか。
A 全行程で約10時間の歩行時間であり早朝出発し、歩きずくめであれば可能である。しかし尾瀬の自然を楽しむ意味でもすすめられない。
Q 鳩待峠の乗合タクシー代はいくらか。
A 大人片道で900円である。
Q 最寄り駅からのタクシー情報が少ないように見える。
A 大阪や福岡からの個人手配旅行であれば、確かに最寄り駅からのタクシー情報は重要であり、そうした情報発信はこれまで十分に行ってこなかった。関係者も含め情報発信の充実に努めたい。
■資料/
◆資料1~7[すべての資料をダウンロード]-PDF(22MB)
◆資料1[ガイドと行く初めての尾瀬]-PDF
◆資料2[尾瀬認定ガイド制度の創設]-PDF
◆資料3[尾瀬国立公園編入エリアの利用方法]-PDF
◆資料4[8月の尾瀬との出会い]-PDF
◆資料5[平成20年度尾瀬ツアー企画時の配慮事項]-PDF
◆資料6[尾瀬山小屋組合宿泊施設一覧]-PDF
◆資料7[2008年尾瀬交通対策のお知らせ(鳩待峠側・案)]-PDF