- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2021.09.08
2021年9月8日ー尾瀬沼ビジターセンターより(燧ヶ岳の様子ー長英新道から見晴新道ー)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、環境省尾瀬沼ビジターセンターは、基本的な感染予防対策を実施したうえで、一部開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
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■天気:曇り時々雨
■気温:8.9℃(9時)19.7℃(昨日の最高気温)8.5℃(今日の最低気温)
今回は燧ヶ岳巡回に行ってきました。
長い林内歩きが続く長英新道から
森の合間から尾瀬ヶ原が見える見晴新道をゆく
計7時間コースとなりました。
長く続く針葉樹の森を歩いて行く長英新道。
ぬかるみも多く、木の根が張り出していたりと
やや歩きにくく感じますが、
林内にさく花や鳥の声を楽しみながら歩くのもまた楽しいコースです。
山頂までは体力が無くて難しいという場合でも
ミノブチ岳まで登ると美しい尾瀬沼の景色が望めます。
また、やや広く平らになっていますので
休憩するにはちょうど良い場所です。
ここを越えると頂上の俎嵓に至ります。
爼嵓から柴安嵓までの道のりは約20分ほどです。
道幅が狭くすれ違いが難しいところなので、道を譲りあって安全に登りましょう。
柴安嵓から見晴新道へ下るところにはガレ場があります。
下から登ってくる人もいますので石を落とさないように
時には道を譲り合って慎重に歩きましょう。
厳しいガレ場の下りを抜けて、見晴新道の針葉樹の林に入ると
その合間から尾瀬ヶ原が見えました。
よく見ると草紅葉が始まりつつあることが分かります。
見晴新道には長英新道と違った楽しみがあるのもまた魅力的です。
長英新道と同様にぬかるみや粘土質の土で滑りやすい所もありますので
足元に注意しながら歩きましょう。
昨日の豪雨の影響により、いつもの登山道が沢のようになっていました。
明るいブナの森と木漏れ日が水面に輝き、幻想的な風景でした。
この時は長靴を履いていたので問題なく歩けましたが、
登山靴の場合はそれなりの防水対策が必要となります。
今回巡回を行った燧ヶ岳の登山道の様子を
詳しくまとめた尾瀬情報はこちらになります。
↓
◎2021年9月6日 尾瀬情報 燧ヶ岳(長英新道~見晴新道)
これから秋山登山のシーズンが本格的に始まりますが、
以下の点にご注意ください。
➀日の出は遅く、日の入りは早い。(日照時間が短い)
夏山登山に比べて秋山登山は涼しく快適に思えますが、日の入りは早くなっております。
また、燧ヶ岳の場合、針葉樹の森が多くあり、昼間でもやや薄暗いのであっという間に暗くなります。
安全のため、早めの下山を心がけて行動しましょう。
➁ツキノワグマが積極的に活動する時期(冬ごもり準備期(飽食期))
尾瀬はツキノワグマの生息地です。
秋に入ると冬に備えて、ブナの実やドングリ、キノコなどをもりもり食べて脂肪を蓄えます。
普段から人と会わないように十分に注意して行動していますが、
食べるのに夢中になっていると、人が近くに来ても気づかないということもあります。
朝夕の薄暗い時間帯や視界があまり良くないところなどは特に注意が必要です。
クマ鈴などをを使って人が通ることを教え、思わぬ事故にならぬように充分注意しましょう。
➂急激な天候の変化
秋雨前線や台風、そして麓よりいち早い降雪。
秋山は冬山へ移り変わる季節であり、天候が不安定です。
また秋と言っても晴れると夏のように暑いこともあり、
晴天と悪天の差が大きいことが特徴と言われております。
低体温症など思わぬ事故にならないように
雨具や防寒着、もしもの時のための着替えなどを用意しましょう。
実際の体験談ですが、
9月6日に燧ヶ岳巡回を行いましたが、濃い霧に包まれており、
ミノブチ岳に到着すると同時に暴風と雷雨がきて
「このまま登山を続行することは非常に危険」と判断し撤退。
翌日7日に再度巡回を行い、快適かつ安全に登山ができました。
少しでも危険と判断したら、すぐに撤退することも
自分自身を守るために重要です。
【2021年9月6日 長英新道4合目にて-豪雨の影響で沢になる登山道-】
➃木道が滑りやすくなっている
尾瀬の登山道には必ず木道があります。
自然を守り尚且つ人々が歩きやすいようにと設置されているものですが、
秋は雨に濡れ、その上に落ち葉がある、霜が降りて凍っているなど
特に滑りやすくなっています。
木道に設置されている桟木を使う、ソール(靴底)がしっかりとした靴を履く、
ストックを使用してバランスをとる(*木道が痛むのでキャップは必ず付けてください。)
等の工夫をしながら、焦らず周囲をよく見て歩きましょう。
以上の点に注意しながら、万が一を考えた登山装備をそろえ、
自分の体力と時間に充分に余裕を持って、秋山登山をお楽しみください。
*体調に不安のある方や自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えましょう。
くれぐれも慎重な判断をお願いいたします。
尾瀬沼ビジターセンター