竜宮(川の流れが突然湿原へと吸い込まれてゆく不思議な場所)

解説

 尾瀬ヶ原の中央部付近には竜宮という場所があります。

 この場所は川の水が湿原の中へいったん吸い込まれ、その様子を見た当時の冨士見小屋主である萩原武治氏が、この穴は竜宮城まで通じているのだろうと思い、これが地名となりました。

■竜宮の水の出口。歩道を挟んで反対側の湿原では水の入り口を見ることができる

 いったん湿原へと吸い込まれた川の水は湿原内を通過し、木道をはさんで反対側へと湧き出しています。

 竜宮の作られ方には、小川だった両岸の植物が徐々にせり出し完全に覆ってしまったという説と、もともとあった伏流水の流路が水流によって広げられ、現在のようすになったという説があります。

 竜宮南側のセン沢上流でも伏流水が多く見られており、現在は後者の説が有力と考えられています。

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