スゲぇ役割(見た目は地味なスゲ属の植物も、尾瀬では重要な役割があります)
- 時期 : 7月~8月
- 場所 : 湿原(牛首分岐、ヤナギランの丘付近)
- 観察や学習の対象 : 植物,
- 学習の目的や育てたい能力 : 観察,読み取る,
解説
スゲの仲間は湿原でよくみられますが、地味なために気にとめる方は少ないかもしれません。
姿はイネのようで、花と言っても目立たないのですが、尾瀬では50種程度のスゲが確認されています。
■ワタスゲの花。地面近くで目立たないように咲いている
尾瀬のスゲで最も知られているのはワタスゲでしょう。
ミズバショウが満開の頃にツクシのような形で花をつけたワタスゲは、6月になると綿毛の付いた種を風に飛ばすため、茎を他の植物よりも伸ばしておなじみの姿になります。
この頃にはワタスゲとよく似たサギスゲも綿毛をつけていますが、こちらはひとつの茎に小穂が数個付いていることで区別できます。
ワタスゲやサギスゲのように綿毛で種を飛ばすのはスゲのグループでは珍しく、多くのものは結実してパラパラと地面に種を落とします。
■種を遠くに飛ばすためにワタスゲはこの頃になると草丈を伸ばす
またスゲの仲間には湿原の回復作業に適しており、特にミタケスゲやヤチカワズスゲは荒廃した湿原の復元作業に活用されています。
■荒廃してしまった湿原の回復作業に使われるミタケスゲ