尾瀬の最高峰(見る方角によって違う山容や、名前の由来を調べてみよう - 燧ヶ岳)

解説

 燧ヶ岳は俎嵓、柴安嵓、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つの峰からなる、標高2,356mの東北以北の最高峰です。

 名前の由来は檜枝岐からみたときの残雪が「火打ちばさみ」の形をしているからといわれています。

 この燧ヶ岳は尾瀬の山々のなかでは最も新しく、約35万年前に火山の噴火によってできました。

■檜枝岐村七入から撮影した燧ヶ岳(俎嵓)。残雪の形が「ひうちばさみ」に見える

 山頂から放射状にのびる谷は浅く、大きく侵食されていないことからも新しい山ということがわかります。

 また何度も噴火が繰り返されたことで、特徴のある山容となりました。

 尾瀬ヶ原から見て右側の斜面(南斜面)は盛り上がった鐘形をしているのに対して、左側の斜面(北斜面)はすっきりとした裾野をしています。

 これは噴火の時期や溶岩の性質が違うことを示しています。

 燧ヶ岳から南へ噴出した溶岩は沼尻川を堰き止め、現在の尾瀬沼ができました。

 燧ヶ岳が至仏山と比べて荒々しい印象なのは、火山活動によって作られたからなのです。

■尾瀬ヶ原から見た燧ヶ岳。山裾の形が左右で違うことがわかる

◆動画による紹介1(クリックすると表示されます)

◆動画による紹介2(クリックすると表示されます)