湿原のハンターたち(虫を捕らえるしくみを触って確かめてみよう - モウセンゴケ)

解説

 湿原には花粉を運ぶ昆虫を待つ植物いれば、昆虫を捕らえてエサにしようとする植物もいます。

 このように葉や茎を使って昆虫などを捕まえ、栄養として消化吸収する植物を食虫植物といいます。

 尾瀬にはモウセンゴケ、コタヌキモ、ムシトリスミレという食虫植物が生育しています。

 この中でもモウセンゴケは目にする機会の多い食虫植物で、葉が丸形のモウセンゴケと、細長い形のナガバノモウセンゴケの2種類があります。

 ナガバノモウセンゴケは細長く大きな葉を活かして、トンボなどの大きな昆虫を捉えることができるようです。赤く見える葉をよく見ると、表面にネバネバした液体を水玉のように付け、虫が来るのをじっと待っています。

■モウセンゴケに捕らえられたアオイトトンボ

 モウセンゴケを見つけたら、虫になったつもりでちょっとだけ触ってみてください。

 運悪くモウセンゴケにとまった昆虫は、暴れるほど葉が覆い被さるように包み込み、その消化液で幾日もかけて溶かされて吸収されます。

 こうして成長したモウセンゴケは、7月中旬頃に米粒ほどの白い小さな花を高い茎に咲かせます。

 これは花粉を運ぶ虫たちを葉で捕まえないようにするモウセンゴケの知恵なのです。

■小さな白い花を咲かせるモウセンゴケ

◆ 動画による紹介(クリックすると表示されます)