時間差を狙う

 以前は日出前から登山を始め、午後にはキャンプ場や山小屋に到着するといった、早出早着の利用スタイルが目立ちましたが、最近の尾瀬ではその時間帯がずれてきており、遅出早下山が多くなってきています。
 ミズバショウ時期の週末における、時間帯別の来訪者数では、午前8~10時が利用のピークになっています。
 逆にいうとこの時間帯を避ければ、ある程度混み合う週末でも次のようなゆったりプランを作ることができます。

日帰りの場合

 午前8時よりも早くから登山を始めることが出来れば、人の姿もまばらな静かな尾瀬へ到着します。
 遅出する登山者は滞在時間が短いことが多く、手近なルートを歩く傾 向が強いため、それ以外の場所でゆったりと過ごすことで人の波を避けることができます。
 昼食を食べ、のんびりと尾瀬で過ごしてから下山すれば、自分たちだけの尾瀬を満喫することができます。

宿泊の場合

 日帰りプランと同様に早出できれば、その日の尾瀬で過ごす時間を目一杯つくることが出来ますが、ここでは午後から入山を開始するプランを紹介します。
 正午頃の登山口は下山者で混み合いますが、それを横目に歩き出せば、尾瀬ヶ原や尾瀬沼などの湿原に着く頃にはひっそりとした雰囲気となります。
 ここです ぐに山小屋へ向かい、チェックインを済ませて荷物を預け、軽く周辺を歩くのも良いし、少し遠くへ足を延ばしてから山小屋へ向かうのも充実した尾瀬ハイキングとなります。
 ゆったりと山小屋の夜を過ごしたら、翌朝は早く起きて誰もいない尾瀬を歩いてみましょう。

朝方の尾瀬の風景朝方の尾瀬の風景
夕方の尾瀬の風景夕方の尾瀬の風景

穴場を狙う

 尾瀬ヶ原を訪れた方が、どの時間帯にどこを歩いたのかを調べると、大半の来訪者が群馬県側の鳩待峠から入り、牛首分岐点で引き返していて、その先(尾瀬ヶ原東側)に行く人はとても少ないことがわかりました。
 そこでヒント2の「時間差がねらい目」と合わせ、早い時間帯に尾瀬ヶ原東側へ行けば、そこから先はゆったりと過ごすことができます。
 どうしても混雑する特定の週末にしか尾瀬に来られない方、また早い時間に出発することが出来ない方には、尾瀬ヶ原西側にある研究見本園の利用がオススメです。
 この場所は30分程度で周回できる湿原ですが、数多くの植物が見られるため「見本園」という名前が付いています。
 その名前ゆえか植栽地と勘違いする方が多く、訪れる人もまばらですが、尾瀬ヶ原でも最もミズバショウが群生し、オゼコウホネが咲く池塘があるなど、じつは近くて見応えのある穴場なのです。

イラストで見る見本園
イラストで見る尾瀬ヶ原