- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2024.10.25
2024年10月25日-尾瀬沼ビジターセンターより(黄金色)
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2024年の尾瀬シーズンも、あとわずかとなりました。尾瀬周辺のアクセス、各施設の営業終了(閉鎖)予定、尾瀬ヶ原の橋板撤去予定などについては、こちらの「2024年シーズンオフ関連情報」でご確認ください。
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■天気:曇りのち晴れ
■気温:10.3℃(9時)17.5℃(昨日の最高気温)8.3℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
燧ヶ岳上空には美しい青空が広がっています。ぽかぽかとした穏やかな暖かさで、散策するにはちょうどよい陽気です。
【展望デッキより燧ヶ岳をのぞむ】
尾瀬沼に澄み切った青空が映りこみ、美しい風景を作り出しています。尾瀬沼にはヒドリガモやオオバンなどの水鳥が集い、ニホンジカの求愛の声がせつなく響き渡っています。
【第二大江橋付近から三本カラマツをのぞむ】
三本カラマツの黄葉は見頃を迎え、太陽の光によって黄金色に輝いて見えます。そして、大江湿原の草紅葉の色はより一層深みを増しました。落葉したダケカンバの白い幹や枝が、針葉樹が多い尾瀬沼周辺の森で明るく映えています。
【7時45分頃の三本カラマツ付近】
早朝から尾瀬沼周辺は靄が立ち込め、幻想的な雰囲気を纏っていました。しかし、この写真を撮った30分後には急に太陽の光が差し込み、湿原に漂っていた靄が一気に消失してしまいました。この一瞬のタイミングで、運良く白虹を目撃された方もいらっしゃったようです(うらやましい!)。たった数十分で、あっという間に風景が変わってしまうのが自然の面白いところ。目の前に広がっているのは一期一会の風景なのです。
【展望デッキ付近のカラマツの黄葉】
展望デッキ付近のカラマツの黄葉が見頃を迎えています。天に向かってスッと伸びていくようなカラマツの姿が印象的です。
さて、毎日発信しているこのブログは、尾瀬沼ビジターセンター8名の管理員が交代で書いております。大江湿原で写真を撮っていると「ブログの写真撮っているの?毎日楽しみにしているよ!」と声をかけてくださる方もいらっしゃり、その言葉がとても励みになりました。また、尾瀬を楽しんでいる姿を写真に撮らせていただき、ブログへの掲載を快諾してくださった皆さま、ご協力ありがとうございました。
私が担当するブログは今日で最後となります。今シーズン、私が出会い、印象に残った風景について紹介していきたいと思います。
【駒の小屋から会津駒ヶ岳山頂をのぞむ(撮影日:令和6年7月21日)】
会津駒ヶ岳には日帰りでは何度も登っていますが、宿泊したことがありませんでした。ハクサンコザクラ、ミヤマリンドウ、ワタスゲ、チングルマなど盛夏の花々が咲き競う時期に、駒の小屋さんにお世話になりました。朝4時過ぎ、東の空が徐々に明るくなり、赤、オレンジ、黄色、ピンク、紫、青・・・一言で表せないほどの様々な色が混じり合う朝焼けを楽しむことができました。宿泊しなければ出会うことができなかった風景です。
【奥只見乗船場(撮影日:令和6年7月15日)】
尾瀬沼と燧ヶ岳や周囲の山々から集まった水は、沼尻川から尾瀬ヶ原へ降り、ヨッピ川と重なり只見川へと名前を変え、名瀑三条の滝へ流れ落ち、奥只見湖へ注がれています。尾瀬沼から始まる長い長い水の旅路について、ミニツアーやスライドショーにて説明をしていましたが、実際に奥只見湖を訪ねたことはありませんでした。奥只見湖は貯水量6億トンを超える日本屈指の巨大人造湖です。奥只見乗船場から遊覧船に乗り、奥只見湖のとてつもない大きさと、尾瀬の自然が生み出した水の豊かさを実感しました。来シーズンは、新潟県側から遊覧船とバスを乗り継いで入山し、尾瀬の水の回廊を巡ってみる山旅も面白いかもしれませんね。
【檜枝岐歌舞伎(撮影日:令和6年9月7日)】
初めて檜枝岐歌舞伎を鑑賞しました。檜枝岐歌舞伎は、江戸時代後期に檜枝岐村の村人がお伊勢参りに行ったときに、上方や江戸で見聞きした歌舞伎を村の娯楽に取り入れたのが始まりです。上演は演者から裏方まですべて村の方々で行っています。檜枝岐歌舞伎は福島県の重要無形民俗文化財、舞台は国の重要有形民俗文化財に指定されています。日中の暑さが和らぎ、涼やかな風が吹き抜けるなか、わくわくしながら上演を待ちました。古のひとたちもこの石階段に腰をかけ、同じような気持ちで上演を待っていたことでしょう。時代が移り変わっても、人々の心を動かす風景やものは変わらないのかもしれません。
尾瀬沼周辺はまさに黄金に輝く時期を迎えています。今シーズン、私が出会った一期一会の風景も黄金色に輝いていたと思います。来シーズン、皆さまに会える日を楽しみにしています。
<ご注意>
◆ツキノワグマにご注意ください。出会い頭の事故にならないようにクマ鈴の携行などの安全対策をお願いします。
◆登山道には古くなって破損した木道や階段があります。割れたり、傾いたりしていますので気をつけて歩きましょう。
<お知らせ>
10月1日より会津バス沼山峠行きの発着が、「会津高原尾瀬口」から「会津田島」へと変更となりました。詳しくはこちら(外部リンク)をご覧ください。合わせて御池~沼山峠間シャトルバスの運行時間も変更となります。詳しくはこちら(外部リンク)をご覧ください。
<ご案内>
◆自然観察会「尾瀬を感じるミニツアー」
午前9時からと昼12時30分から、毎日2回開催しています。参加費は無料ですので、どうぞ、ご参加ください(雨でも開催しています)。
【尾瀬保護財団では広く寄付をお願いしております】
ご寄付をいただいた方にオリジナルのバッジを差し上げています。
2024年「第四弾」はこれまで好評だったオコジョに加えて、尾瀬沼の秋シリーズです。(三本カラマツ、木々の紅葉、エゾリンドウ、燧ヶ岳)
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