- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2021.06.08
2021年6月8日-尾瀬沼ビジターセンターより(大江湿原をシカから守る)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。
お出かけの際には各施設の営業予定や閉鎖予定の確認をお願い致します。
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■天気:曇り時々晴れ
■気温:15.8℃(9時)24.1℃(昨日の最高気温)5.4℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆様こんにちは。
今朝は朝霧が大江湿原と尾瀬沼を覆っていました。
陽が昇り気温が上がってくると、大江湿原のあちらこちらにカラフルな花が顔を出します。
【タテヤマリンドウ】
湿原の中に青い小さな花、タテヤマリンドウが咲き始めました。
花をよく観察すると雄しべのある花と雌しべのある花とがありました。
タテヤマリンドウは雄しべが先に出て、後から雌しべが出る雄性先熟の花だそうです。
今、ピンクで目立つのはショウジョウバカマです。
漢字で書くと「猩々袴」。
猩々とは空想上の生き物を表し、葉をその袴になぞらえたのだそうです。
黄色い花といえば、リュウキンカがミズバショウと同じくらい早くから咲いていますが
大江湿原には、シナノキンバイも咲き出しています。
木道と木道の間には、黄色くて小さなキジムシロも咲いています。
このように大江湿原は少しずついろいろな色の花で彩られていっています。
一方で、湿原にはこのような場所もあります。
これは、シカが体についた汚れや寄生虫を落とすために地面に体を擦りつけてできたヌタ場と呼ばれているところです。
湿原が掘り返され、何年もかけて形成された湿原が荒らされてしまいます。
また、湿原には、せっかく芽吹いたニッコウキスゲをシカが食べています。
まだ花芽が出る前ですが、このままでは花芽も食べられてしまいます。
大江湿原の自然を脅かすシカの存在はほおっておけません。
そこで毎年、大江湿原の周りに、シカが湿原に入ってくるのを防ぐ柵を設けています。
昨日6月7日、防鹿柵設置が始められました。
この後も少しずつ延長し、数日後には、大江湿原全体を囲む予定です。
このようにして尾瀬の自然が守られています。
これから、ワタスゲの白い果穂やオレンジ色のレンゲツツジなどいろいろな花が湿原を彩っていきます。
たくさんの人からおいでいただき、大江湿原を楽しんでいただきたいと思います。
最後に、体調に不安がある方や、自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えてください。
くれぐれも冷静な判断をお願いいたします。
尾瀬沼ビジターセンター