- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2020.08.24
2020年8月24日-尾瀬沼ビジターセンターより(ツキノワグマ出没とフィールドサイン)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、環境省尾瀬沼ビジターセンターは、基本的な感染予防対策を実施したうえで、一部開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
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■天気:晴れのち曇り
■気温:18.6℃(9時)25.1℃(昨日の最高気温)12.5℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
お盆が過ぎ、尾瀬沼への登山客の姿も少なく静かになっております。
ミズバショウの実も熟してくる時期に入ってきたからか、ツキノワグマの動きが活発になってきました。
【クマ出没注意看板】
尾瀬沼ビジターセンターにもお客様からクマの目撃情報が届いています。
尾瀬でクマを見かけた際は、尾瀬沼ビジターセンター・山ノ鼻ビジターセンターまでご報告下さい。
【釜ッ堀湿原】
釜ッ堀湿原を歩いていると木道上に黒いモノが見えます。
近寄ってみると…
糞です。
クマの糞が木道上に堂々とありました。
糞をよく見てみると、ミズバショウの種子が混じっています。
糞の状態から、クマが何を食べているか知ることができます。
【ミズバショウの種子】
尾瀨の8月はツキノワグマが積極的にミズバショウの実を食べる時期にあたります。
一見、ツキノワグマは怖い生き物ですが、ミズバショウの実などを食べて糞をし、
種子を遠くに運んでくれる大切な役割をしてくれます。
尾瀨の自然はツキノワグマに支えられているところもあります。
【長蔵小屋、尾瀬沼ヒュッテ分岐近く】
釜ッ堀湿原を南に進むと分岐が出てきます。
そこから50m程の間に3カ所クマ糞が見られました。
全て同じ個体がもよおしたものなのかどうか定かではありませんが、この辺りに生息していることが分かります。
クマの痕跡は糞だけでなく、
【踏み倒されたヨシ】
踏み倒された植物から動物がどこを通ったのか読み取ることができます。
上記のような糞や踏み跡など動物が残した痕跡のことを、フィールドサインと呼びます。
尾瀨はツキノワグマの生息地です。
思わぬ事故にならないように以下のことに気をつけましょう。
1.クマとの遭遇を防ぐために、日が昇る前や日が暮れた後の暗い時間帯の移動はなるべく控えましょう。
また、移動する際はクマ鈴を鳴らす等の対策を行って下さい。
2.もしクマに遭遇してしまった場合は、大声を出さないよう気をつけて下さい。
クマは基本的におくびょうな性格をしていますが、驚かせてしまうと人を襲ってくることもあります。
静かにゆっくりと後ずさりしながらその場を立ち去って下さい。
その他のツキノワグマに関する注意点はこちらをご覧下さい。
↓
◎ツキノワグマとの共存(公益財団法人 尾瀬保護財団HP)
◎ツキノワグマにご注意下さい(2020年8月4日)(公益財団法人 尾瀬保護財団HP)
尾瀬では、さまざまな動物のフィールドサインを身近に感じられる場所です。
ツキノワグマのことについてなど分からないことがございましたら、
最寄りのビジターセンター窓口にてお問い合わせ下さい。
なお、体調に不安がある方や、自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えて下さい。
くれぐれも冷静な判断をお願いいたします。
担当:緒方