秘話 その2
「多忙な山小屋主が見つけた尾瀬の魅力」※2015年4月時点の情報です
子どもの頃から尾瀬で育った星さん。 そんな星さんが「我が目を疑った」という尾瀬の美しさはどんなものだったのでしょうか。
温泉小屋
星 公雄 Kimio Hoshi
小屋主に守られて75年
尾瀬でも数少ない「温泉(硫酸塩冷鉱泉)」のお風呂
約24度の温泉は
ボイラーでいったん湧かしてからお風呂へ
家族に支えられた小屋の仕事
星さんが見つめてきた小屋からの眺め
小屋の看板からも暖かみを感じる
我が目を疑った尾瀬の美しさ
アヤメ平周辺の紅葉のようす 50年近くも温泉小屋の主人として小屋を守り、来訪者を迎えてきた星さんも、今から6年程前に息子の公一さんへ小屋を譲った。 「まだ名義は私のものだけど、この間、テレビの取材で息子が自分の事を小屋主だと言った。その気持ちがうれしかったですね」と語る。小屋の営業から一歩退くことになったが、再び始めたのが尾瀬歩きだったという。 「実は私の奥さんも山好きでね。だけど時間を競って登るなんて事はしないで、ゆっくりと歩き、風景や花を見て楽しむ山登りだった。私も時間にゆとりが出来たし、そんな登り方をやってみようかなと。」そうして訪れた紅葉シーズンのアヤメ平で、尾瀬で育った星さんが驚きの発見をした。 「これほど美しい場所だったかと我が目を疑いました。歩き慣れた燧裏林道の紅葉も綺麗だけど、アヤメ平は尾瀬一番だった。その時、自分の気持ちにゆとりを持って歩かなくては、本当の尾瀬の良さは分からないという事を痛感した。」小屋の事を気にかけながら、先を急ぐように歩いた尾瀬歩きから、時間をかけて歩く尾瀬歩きへと変わった結果の発見だったという。そんな心境の変化があった星さんに、尾瀬を訪れる方へのメッセージを伺った。 「昔の尾瀬のお客と比べて、今は花を見に来る方が多くなった。花が主役の尾瀬では良いことだ。だけど花をもっとゆっくり見て、感じないと尾瀬の良さは分からない。私が言うんだから間違いないよ」 人間味あふれるコメントには実体験と、尾瀬を愛する気持ちが感じられた。温泉小屋 データ
問い合わせ先 : 080-6601-3394
Website : 尾瀬温泉小屋