尾瀬賞の概要
尾瀬をはじめとした湿原は、人類をはじめ多くの生物にとって貴重な自然です。それにもかかわらず、年々人為的な影響により湿原は減少し、また、利用者の増加により植生破壊等が懸念されています。
尾瀬保護財団では、尾瀬に限らずより広く湿原を保護するために、基礎研究に基づいた議論展開が必要であると考え、湿原を対象とした学術的・学際的研究を奨励し、併せて環境保護に関する関心を高めるために平成9年度から顕彰事業「尾瀬賞」を実施しています。
第20回尾瀬賞の募集について
(募集期間:平成28年4月1日~8月31日)
応募方法の詳細は下記をご確認ください。奮ってのご応募をお待ち申し上げます。
- 「第20回尾瀬賞」募集要項OZE-prize youkou-20
- 「第20回尾瀬賞」応募用紙OZE-prize youkou-20 word版OZE-prize youkou-20
過去の受賞者と受賞研究内容
区分 | 受賞者名(受賞当時の所属)と受賞研究内容(敬称略) |
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第1回 (平成9年度) |
山形与志樹(やまがたよしき、国立環境研究所主任研究員) 「リモートセンシング画像を用いた湿原環境監視に関する研究」 |
第2回 (平成10年度) |
相馬秀廣(そうまひでひろ、奈良女子大学文学部教授) 「泥炭地への流入土砂の変遷及び泥炭層の変化に関する研究」 |
第3回 (平成11年度) |
揚宗興(ようむねおき、東京農工大農学部助教授) 「湿原における窒素固定活性とメタン生成プロセス及び嫌気的窒素固定の役割に関する研究」 |
第4回 (平成12年度) |
該当者なし |
第5回 (平成13年度) |
澤井祐紀(さわいゆうき、国際日本文化研究センターPD) 「塩性湿原堆積物中の生物化石群衆を用いた古地震周期・古地震規模復元に関する研究」 |
第6回 (平成14年度) |
矢部和夫(やべかずお、札幌市立高等専門学校助教授) 「湿原における植生成立機構の解析とその保全に関する基礎研究」 |
第7回 (平成15年度) |
犬伏和之(いぬぶしかずゆき、千葉大学部園芸学部教授) 「尾瀬ヶ原湿原と熱帯泥炭地における微量温室効果ガス動態の総合研究」 |
第8回 (平成16年度) |
市川 昌広(いちかわまさひろ、大学共同利用機関法人人間文化研究機構 総合地球環境学研究所研究部助教授) 「マレーシア・サラワク州の湿地林における生物資源とイバン人によるその利用」 |
第9回 (平成17年度) |
林 成多(はやしまさかず、財団法人ホシザキグリーン財団 研究員) 「東アジア産ネクイハムシ亜科の分類学的研究および化石記録から探る日本列島のネクイハムシ相の形成過程」 |
第10回 (平成18年度) |
赤木 右(あかぎたすく、九州大学大学院理学研究院教授) 「湿原の化学的特徴を用いた地球環境指標の開発と応用」 |
第11回 (平成19年度) |
該当者なし |
第12回 (平成20年度) |
竹原明秀(たけはらあきひで、岩手大学人文社会科学部教授) 「東北地方の湿原に発達する植物群落の構造とその保全に関する研究」 |
第13回 (平成21年度) |
冨士田裕子(ふじたひろこ、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター准教授) 「北海道の湿原目録の作成と湿原生態系の解明および保全に関する研究」 |
第14回 (平成22年度) |
[尾瀬賞] 中村太士(なかむらふとし、北海道大学大学院農学研究院教授) 亀山 哲(かめやまさとし、独立行政法人国立環境研究所主任研究員) 水垣 滋(みずがきしげる、独立行政法人土木研究所寒地土木研究所) 「釧路湿原における流域土地利用の累積的影響評価と生態学的保全及び復元に関する研究(グループ研究)」 [尾瀬奨励賞] 廣田 充(ひろたみつる、筑波大学大学院生命環境科学研究科持続環境学専攻准教授) 「生物間相互作用が制御する湿原の炭素循環~チベット高山湿原での研究例から~」 |
第15回 (平成23年度) |
[尾瀬賞] 授賞適任者なし [尾瀬奨励賞] 田中周平(たなかしゅうへい、京都大学大学院地球環境学堂環境調和型産業論分野准教授) 「琵琶湖岸水生植物群落の植生構造分析とその保全・再生に関する研究」 |
第16回 (平成24年度) |
[尾瀬賞] 崎尾 均(さきおひとし、新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション 教授) 「荒川流域の水辺林の生態と管理に関する研究」 [尾瀬奨励賞] 藤村善安(ふじむらよしやす、産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門地下水研究グループ 特別研究員 「湿原植生の動態機構解明と湿原生態系の管理・監視手法構築に関する研究」 |
第17回 (平成25年度) |
[尾瀬賞] 中村 隆俊(なかむらたかとし、東京農業大学生物産業学部生物生産学科 講師) 「湿原植物の分布機構解明へむけた生態生理学的アプローチ」 [尾瀬奨励賞] 授賞適任者なし |
第18回 (平成26年度) |
[尾瀬賞] 長野 敏英(ながのとしひで、東京農業大学名誉教授) 石田 朋靖(いしだともやす、宇都宮大学理事・学長) 大澤 和敏(おおさわかずとし、宇都宮大学農学部准教授) 「熱帯泥炭湿地の環境特性と泥炭保全管理指標の定量化」 [尾瀬奨励賞] 授賞適任者なし |
第19回 (平成27年度) |
[尾瀬賞] 平野 高司(ひらのたかし、北海道大学大学院農学研究院教授) 「熱帯泥炭生態系の炭素動態に関するフィールド研究」 [尾瀬奨励賞] 授賞適任者なし
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※ 第13回より尾瀬奨励賞を新設(職名は受賞時)
第19回 尾瀬賞授賞式・記念講演について
平成28年6月9日(木)東京の都道府県会館で第19回尾瀬賞授賞式が行われました。大澤正明理事長から、第19回尾瀬賞受賞者の平野高司(ひらのたかし)氏(北海道大学大学院農学研究院教授)に賞状と賞金100万円の目録が贈呈されました。その後、来賓の環境省、文化庁、共同研究者の方から祝辞がありました。授賞式に先立ち、平野氏から受賞研究の内容について記念講演が行われました。長期にわたる高精度な観測により明らかにされた、熱帯湿地林の開発による二酸化炭素放出量の定量化などについて、非常に分かりやすく発表していただき、参加者は熱心に視聴していました。
第19回尾瀬賞受賞者の平野高司氏(左)と大澤正明理事長(右)