尾瀬水の大冒険(尾瀬の水が流れ下る先には・・・)

解説

 春の三条ノ滝は尾瀬の雪解け水が流れ下り、最も迫力のある姿を見せます。

 周囲の山からの水は尾瀬沼や尾瀬ヶ原を潤し、沼尻川、ヨッピ川、只見川と名前を変えて、平滑ノ滝、三条ノ滝を経て長い旅のすえに日本海へと注ぎます。

 尾瀬に降る雨や雪は、その多くが日本海へと流れていくのです。

■鳩待峠から山ノ鼻へと流れる雨水。この水はやがて日本海へと流れてゆく

 尾瀬の登山口である鳩待峠に降る雨は、すぐに川上川へとなって尾瀬ヶ原へと流れていきます。

 でも少し場所を変えてみてください。戸倉へ向かう車道の方へも水が流れ、こちらは片品川となって、やがて太平洋へと流れていくのです。

 このように尾瀬の稜線は、どちら側に降るかで水系が変わり、到着する海が違ってくるのです。

 この境界線を分水嶺と呼んでいます。尾瀬では三平峠から皿伏山、富士見峠、鳩待峠そして至仏山へと連なる稜線が分水嶺となっています。尾瀬の水がどんな旅をするのか想像してみるのもいいかもしれません。

■豪快な三条ノ滝には尾瀬の殆どの水が流れ落ちる