尾瀬の貴婦人たち(見分け方をおぼえておこう - シラカンバ、ダケカンバ)

解説

 気品ある白い幹が印象的なシラカンバは、シラカバとも呼ばれ多くの人に知られています。

 尾瀬にはシラカンバとよく似たダケカンバも生育しており、両種は標高1,400m付近を境に、高いところにはダケカンバ、低いところにはシラカンバと住み分けています。

 しかし尾瀬ヶ原は標高1,400mにあるため、どちらの木も見ることが出来ます。

 とくに研究見本園の至仏山登山口付近では両種が並んで生えているので、特に葉の形を見比べてみましょう。

■東面登山道入口付近のシラカンバ林。右奥にはダケカンバ林が見える

 シラカンバの葉脈は6~8対なのに対して、ダケカンバでは7~12対あることで見分けることができます。

■シラカンバの葉

■ダケカンバの葉

 シラカンバとダケカンバのタネには翼があるので風に乗って運ばれやすく、伐採や山火事などで明るく開けた所に侵入して芽を出すよう工夫しています。

 こうして作られたシラカンバやダケカンバの森は、成長して林内が暗くなるにつれて、ミズナラなどの林へと遷移していきます。

 山の鼻ビジターセンター周辺ではダケカンバの大木とミズナラが入り混じり、こうした移り変わる様子をうかがうことができます。