- 尾瀬沼ビジターセンターブログ
- 2021.10.30
2021年10月30日-尾瀬沼ビジターセンターより(藍より青い天を仰いで-尾瀬沼一周の様子-)
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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、環境省尾瀬沼ビジターセンターは、基本的な感染予防対策を実施したうえで、開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
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■天気:晴れ
■気温:1.0℃(9時)5.9℃(昨日の最高気温)-5.0.℃(今日の最低気温)
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
今日も相変わらず寒い尾瀬沼。
木道の上にうっすら白い霜が降りて、枝も凍っています。
一昨日は、今年度最後の「尾瀬沼一周」をしてきました。
林内の木道には雪が残るものの、ほとんど溶けてありませんでした。
しかし、雪が溶けかかっているところは非常に滑りやすいので注意が必要です。
滑らないように桟木をうまく使いながら慎重に歩きました。
しかし、寒く冷たい風と時折降る霧雨に包まれながら
沼尻から白砂湿原まで向かいました。
奥に見える燧ヶ岳が雪雲の帽子を深く被っていて、なかなかその顔は見えませんでした。
白砂湿原では草紅葉も柔らかな色合いとなり、
その先の白砂峠も雪が溶けてなくなっているのが見えました。
時折見える青空と優しい陽射しに冷えた体を温めながら
お気に入りの場所の一つでもある「白砂湿原」に
お別れを言って、また沼尻へと歩き出しました。
沼尻に出ると「カーン、カーン」という木を叩く音と
あまり嗅いだことのない煙の匂いがしました。
鼻と耳には自信があるので「なんだなんだ?」と音と匂いのする方向に
足を運ぶと、尾瀬沼南岸で木道工事をしていました。
あのこんがりと焼けた匂いは木道の焼き印の香りでした。
できたての焼き印をみるのは久方ぶりでとても嬉しかったです。
よく見ると「2021年 R3 環 」と書いてあります。
これは「2021年(令和3年)に環境省が木道を設置しました」という意味です。
尾瀬の木道は全部で約65kmと言われております。
木道は、環境省や各県、企業などがそれぞれ管理しておりますので、
尾瀬を歩く際は木道の焼き印探しも面白いかもしれません。
人が安全に歩くことができて尚且つ自然を守るための木道。
尾瀬には欠かせないものの一つです。
しかし、それらを整備維持していくには莫大な費用が掛かります。
雪山登山をする際にアイゼンやスパイク長靴などが使われますが、
木道を歩く際は傷つけないように十分お気を付けください。
ストックも同様に木道の上を歩く際はキャップをつけるように
ご協力ください。
今回のブログで私の今年度のブログ担当は終了致しますが、
「日本の文学と尾瀬のコラボが面白い」「素敵な言葉の表現」で
ひそかにご好評いただき、とても嬉しかったです。
今までの感謝を込めてここでひとつ・・・
見晴るかす 天の青より藍出でて 山里去るや 吾は恋しき
揺らぐ波と同じと思えば 雪降り積もる燧ぞいざ見送らむ
(ふと見上げた空の色。あれは青というよりも藍色のような深い色だ。
私をここまで育ててくれたこの山を去ることはなんて寂しく
里に下りれば恋しく思うことか。
尾瀬沼の揺らぐ波のように心はざわめき、
燧ヶ岳は雪で白く染まって道行く私を見送っている。)
職員それぞれが綴るものはどれも同じ物はなく、
さまざまな視点からみた尾瀬が楽しめるのもこのブログの魅力の
ひとつかと思います。
また来年度も素晴らしい尾瀬の様子を発信してゆきたいと思います。
それでは、明日のブログもお楽しみに・・・。
〇尾瀬を訪れる前にご確認ください。
*尾瀬沼地域では山小屋(売店・食堂を含めて)は全て営業を終了しました。
尾瀬沼にお出での際は、昼食や飲料は持参となりますのでご注意ください。
また、11月に入ると道路閉鎖をする箇所もありますので、お出での際は情報を集めてから判断をお願いします。
*尾瀬沼地域への入山口では、群馬県側の大清水~一ノ瀬間の低公害車と、福島県側の御池~沼山峠間のシャトルバスは既に営業を終了しています。
*尾瀬沼ビジターセンターは、10月31日まで開館しています。
*体調に不安のある方や、自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えましょう。
くれぐれも慎重な判断をお願いいたします。
尾瀬沼ビジターセンター