植物たちの冬支度(厳しい冬の寒さを乗り越える工夫を観察しよう - 冬芽)

解説

 10月になると、尾瀬の長く厳しい冬を越すために、生き物たちがそれぞれに準備を始めます。

 その様子が最も見つけやすいのが樹木の冬芽です。

 枝の先や股にあるツボミのようなふくらみが冬芽で、ここに来春の花や葉を固くしまい込み、表面には油のようなものが分泌されてベトベトするものもあります。

 冬芽の形は植物ごとに違うので、慣れれば冬芽から樹種を知ることができます。

 ツルコケモモのような湿原の小さな樹木にも冬芽を見つけることが出来るので、ぜひ観察してみてください。

■冬芽。ここに来年の花や葉が大切に守られ、保管されている

 広葉樹が秋に落葉し冬芽を作るのは、厳しい冬に無駄なエネルギーを消費しないよう工夫している結果なのです。

 草花の冬の過ごし方は茎や葉を枯れさせ、地中の根だけを残して春を待つものが多いなか、ミズバショウは地上に新芽を出して越冬します。

 雪の多い尾瀬では早くから雪に閉ざされ、雪の保温効果で氷点下に冷え込むことことがないため、春の雪解けとともに花を咲かせることができるのです。

◆動画による紹介(クリックすると表示されます)