尾瀬最古の山(形や植物の様子に注目 - 至仏山)

解説

 至仏山の山容はなだらかで女性的と表現されますが、それは山のでき方と関係があります。

 約2億3000万年前に海底で形成された蛇紋岩は、約1億年前に地殻変動によって隆起し、至仏山を形作りました。その証拠として、至仏山から海底の古生物であるウミユリの化石が発見されています。

 山の鼻ビジターセンターにウミユリの化石が展示してあるので、興味のある方は立ち寄ってみてください。

■尾瀬ヶ原から見上げる至仏山。残雪の残り方が特徴的

 至仏山に生育する植物にも特徴がみられます。

 森林限界より上部の山肌は、濃い緑色み見えるハイマツ帯と薄い緑色の湿性草原とに分かれ、ハイマツは北斜面、湿性草原は南斜面というような規則性が見られます。

 これは冬の強い北風によって飛ばされた雪が南斜面に厚く積もるためで、雪解けが遅く、斜面下方向へと引きずる力が働くために、こうした植生を作っています。

 5月下旬頃の至仏山では残雪のある場所、無い場所とで植生を見分けることができます。

 



■研究見本園から見た至仏山。ハイマツ(濃い緑色)と湿性草原(薄い緑色)との違いがよく分かる

◆ 動画による紹介(クリックすると表示されます)