ニッコウキスゲの一週間(尾瀬の夏を代表するニッコウキスゲの不思議な生態を調べてみよう)

解説

 ニッコウキスゲは梅雨明け前後の7月中下旬に見頃を迎えます。

 植物には当たり年、外れ年と呼ばれる花の周期がありますが、ニッコウキスゲもこの周期がはっきりしていて、2005年の当たり年には、離れた場所から見ると湿原が一面黄色の絨毯のように見えました。

 しかし、翌年には尾瀬全体でもニッコウキスゲは数える程しか開花しませんでした。この周期には植物自身のサイクルや、気候などの様々な要素が関係しているようです。

■大江湿原のニッコウキスゲ群生地。尾瀬で最も群生する場所の一つだ

 ニッコウキスゲの最盛期は1週間程度で終わりとなります。

 実はニッコウキスゲの花は一両日と非常に短命なのです。

 しかし1つの株に6~7個の花芽が付き、1輪ずつ咲かせて昆虫に花粉を運んでもらう期間を長くしているため、残されたつぼみの数を調べることで、あと何日くらい見頃を楽しめるのかを知ることができます。

■中田代のニッコウキスゲ群生地。よく見ると二輪同時に咲いているものが無いことがわかる

◆ 動画による紹介(クリックすると表示されます)