秘話 その7
「尾瀬の変化を感じるココロ」※2015年4月時点の情報です
尾瀬ヶ原の中央部に位置する竜宮は尾瀬各地からの木道が行き交う十字路で、広大な尾瀬ヶ原が一望でき、湿原植物が咲き誇るハイカーに人気の場所です。 そんな竜宮十字路で、古くから山小屋を営む龍宮小屋の萩原澄夫さんにお話を伺いました。
龍宮小屋
萩原 澄夫 Sumio Hagiwara
竜宮に小屋を建てた理由
龍宮小屋露天風呂(昭和26年代、竜宮小屋提供)
幼少時代から小家主になるまで
現在の龍宮小屋も萩原さんと同様に3代目
尾瀬の変化を感じるココロ
若くして山小屋主となり、口にはしないが様々な苦労をされた萩原さん。意外にも小屋主としての初任給で買ったのは「尾瀬を撮影するためのカメラ」だったという。 「龍宮小屋は著名な写真家が以前から宿泊していましたが、私は常に尾瀬にいる者として、尾瀬の変化を記録するために撮影を始めました。最初は風景を漠然と撮影していましたが、やがてテーマを決め、場所を決めて尾瀬を見ることで、僅かな変化を感じられるようになりました。撮影中に白い虹を見た事も感動的でしたが、ある植物が毎年少しずつ移動している事を発見した時も同じ感動をおぼえました」と、萩原さんの尾瀬を見る視点を感じたひと言でした。そんな萩原さんにとって、今の登山者はどの様に映っているのでしょうか。 「みんな歩くことや目的地に到着する事にしばられてしまっている。本当に尾瀬を感じたいのであれば、時間にしばられない歩き方をしてもらいたいですね。キーワードは『倍時間・倍楽』です。地図に書かれた所要時間の倍を使って楽に歩くこと。時には同じ場所にたたずんで、尾瀬の自然の移り変わりを見てもらいたいですね」と萩原さんは穏やかな口調で、尾瀬の真髄に触れるアドバイスを教えてくれました。龍宮小屋 データ
問い合わせ先 : 090-8314-3193
Website : 尾瀬国立公園「尾瀬」尾瀬ヶ原龍宮小屋のページ