尾瀬の野鳥たち(鳴き声を私たちの言葉に置き換えてみると・・・ - 聞きなし)
- 時期 : 5月中旬~10月中旬
- 場所 : 湿原(下ノ大堀川付近)
- 観察や学習の対象 : 植物,
- 学習の目的や育てたい能力 : 読み取る,比較対照,
解説
鳥の鳴き方には2通りあります。
声高らかに美しい鳴き声が聞こえたら、それはさえずり。なわばりや、求愛などの鳥にとって大切な行為です。
ジッとかチッといった声にならないようなものが聞こえたら、それは地鳴きと呼ばれる警戒の声です。
湿原で見かけることの多いホオアカは、私たちの足音に気付くと湿原から突然飛び出し、また近くの草むらへ潜り込みます。
しばらく耳を澄ましていると、ピッピピピピーとさえずる声が聞こえてきます。
尾瀬ではこの声を「ヨッピの吊り橋落ちたー」と表現したりします。
■湿原でよく見られるホオアカ。鳴き声は「ヨッピの吊り橋落ちた~」と聞こえる
このように鳥の声を人の言葉に置き換えたものを「聞きなし」といいます。
特にウグイスのホーホケキョ(法、法華経)は有名です。また、カッコウの「カッコウ」やカラスの「カーカー」という鳴き声も聞きなしのひとつです。
自然が豊かな尾瀬は鳥たちにとって大切な生息地です。
それは、日本とオーストラリアを渡るオオジシギのような鳥でも同じことで、尾瀬は休息や採餌のための大切な中継地となっています。
2005年に尾瀬がラムサール条約湿地に登録されたことで、改めてその重要性が認められました